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どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

作家
阿部暁子
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出版社
集英社
発売日
2017-10-20
ISBN
9784086801546
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「どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)」のおすすめレビュー

その少女は1974年から現われた!? 横浜から離島へやってきた少年と時を越えた少女、衝撃と感動のボーイ・ミーツ・ガール小説

※「ライトに文芸はじめませんか? 2020年 レビューキャンペーン」対象作品

『どこよりも遠い場所にいる君へ』(阿部暁子/集英社オレンジ文庫)

 ここではないどこかへ、逃げ出したくなったことはないだろうか。仕事がつらい時、失敗が重なった時、人と関わるのが怖くなった時。人はほんのひと時心をまぎらわせるため、どこか遠い場所を夢想する。

『どこよりも遠い場所にいる君へ』(阿部暁子/集英社オレンジ文庫)に登場するのも、“遠く”へ逃げてきたふたりだ。ひとりは、横浜から離島へ。もうひとりは、1974年から現在へ。海を越えた少年と時を越えた少女は、小さな島で出会い、やがて恋に落ちる。そう、これは切なさと瑞々しさ、そして希望に満ちたボーイ・ミーツ・ガール小説だ。

 月ヶ瀬和希は、ある事情により横浜を離れ、離島の采岐島高校で寮生活を送る少年。島には「神隠しの入り江」と呼ばれる曰くつきの場所があり、和希はひとりになりたい時、しばしばその場所を訪れていた。

 夏の初めのある日、和希が入り江を訪れると、波打ち際に少女が倒れていた。身元不明の七緒は、どう見ても和希と同年代だが「1…

2020/2/20

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読書メーター×ダ・ヴィンチ「ライトに文芸はじめませんか? 2020年 レビューキャンペーン」開催!

 日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』が連動し、イチオシのライト文芸、キャラクター文芸作品を紹介する企画「ライトに文芸はじめませんか? 2020」で、2月17日(月)よりレビューキャンペーンが実施される。

「ライトに文芸はじめませんか? 2020 レビューキャンペーン」では、対象作品を読んで読書メーターに感想を投稿してくれた方の中から抽選で80名に図書カードネットギフト2000円分が当たる。「これは!」と思う作品を読んで、感想を投稿しよう! 応募期間は2020年3月31日(火)まで。

 また、レビューキャンペーン開催に伴い、3月から全国書店を対象に「ライトに文芸はじめませんか? 2020フェア」が展開される。

【対象作品】 『どこよりも遠い場所にいる君へ』(阿部暁子/集英社) 『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』(冬野夜空/スターツ出版) 『薬屋のひとりごと』(日向夏/主婦の友インフォス) 『時給三〇〇円の死神』(藤まる/双葉社) 『後宮の花は偽りをまとう』(天城智尋/双葉社) 『膠着 スナマチ株式会社…

2020/2/17

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どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫) / 感想・レビュー

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ろくせい@やまもとかねよし

感情をジェットコースターに乗せたような読後感。私の感情は、不思議な女子高生とともにコースへ出発。不遜な主人公の男子高生ととも徐々に高度をあげ、彼の周囲との氷解から頂点付近を堪能。しかし、衝撃な彼の過去の暴露で感情は急降下を強いられ、彼女、友人、見守る大人の思いやりで大きく宙返り、そして彼自身の回想で感情はスクリュー回転へ。さらに真相と彼女の正体で感情は高低差とともに大きく迂回し突然ガタンと停止。スタート地点へ向かう感情は、友人の告白で落ち着くが、終点付近で提示する写真に写されたラストには必至の感動だった。

2020/03/10

しんごろ

小さな島の高校での高校生活を描いた青春物語です。筋が一本通ったドッシリとした骨格のある物語でした。人に知られたくない過去、傷を持っていても前に進まなきゃいけないですね。和希の周りの人が、いい人達に恵まれて良かった。幹也、お前も傷を背負ってたんだね。物語を通して幸せの条件とはなんだろうと考えてしまいます。切なさがいっぱいなんだけど、これが君のためと思えるなら、幸せなんだろうと思いたい。ただただ涙が溢れてきます。

2018/10/20

三代目 びあだいまおう

最後の感動が半端ないという前振りが先入観となり、裏切られそうな期待感が重荷でした。訳あって離島に逃げてきた高校生の主人公は『神隠しの入江』で少女を助ける。息を吹き返した少女が口にした『あり得ない現在』その冒頭のシーンから主人公の青春ストーリーが続く。気のいいクラスメイト達、不思議と存在感のある高津。そして助けた少女:七緒。やがて島全体が盛り上がる文化祭に向けて準備(青春)を重ねる彼ら達。ためにためて辿り着く結末。勿体なすぎてゆっくりと何度も読み返した終章!前振りに偽りなしでした!とても良かったです‼️🙇

2020/03/18

さてさて

『誰にも気にとめられない影の薄いやつになりたい』。そんな思いの中に『中国地方の日本海』に浮かぶ『采岐島』の『シマ高』へと入学した主人公の和希が『神隠し』や『マレビト』の言い伝えのある『入り江』で謎の少女と出会った先の物語が描かれるこの作品。そこには『文化祭』への盛り上がり等に”学園モノ”の側面を堪能できました。そんな物語に少しずつ匂わされていく”ミステリー”の要素に息を呑むこの作品。巧みに張り巡らされた伏線とファンタジーとしての感動が読者を包み込む圧倒的なその結末にただただ驚きを見る素晴らしい作品でした。

2023/05/09

寂しがり屋の狼さん

いまだに『神隠し』や『マレビト』の伝説が残るトキ島が物語の舞台。ある事情から全てを棄てて東京から島の高校へ入学した『月ヶ瀬 和希』は島の西側にある『神隠しの入り江』で倒れている少女を発見する。意識を取り戻した少女が語った西暦は『1974年』…タイムトラベルやパラレルワールドといった恋愛小説だと思って読み進めたら、良い意味で裏切られました。2人が過ごした1ヶ月間の想いが40年の歳月を経て伝わった時には涙腺が崩壊です。

2019/04/07

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