また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫)
「また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫)」のおすすめレビュー
時空を超えて巡り合う奇跡──話題作、待望の続刊!『また君と出会う未来のために』
『また君と出会う未来のために』(阿部暁子/集英社)
どこか遠くへ行ってしまえたらいいのにと、思春期などとっくに過ぎた今でも考える。もしかすると本を読む人は、似たような気持ちになることがあるかもしれない。ここではないどこかへ行けば、自分を苦しめるものから逃れ、心安らかに過ごせるはずだ。ある種の現実逃避として、わたしたちは物語のページを開く。
どうやら本シリーズの登場人物も、同じようなことを考えていたらしい。
『どこよりも遠い場所にいる君へ』(阿部暁子/集英社)の主人公・和希は、離島の高校に通う高校1年生。島で唯一の高校は、全国から生徒を受け入れる寮を備えており、和希もその男子寮の一員だ。島での穏やかな暮らしに身を置きながら、しかし彼の胸のうちには、いつも黒いものが渦巻いていた。
そんなある日、和希は「神隠しの入り江」と呼ばれる場所で、身元不明の少女と出会う。1974年から逃げて来たと言う彼女を信じたのは、「おれも、ここに逃げてきたから」。とある秘密を抱えた彼は、どこにも逃げられないと知りながら、それでも遠くに行きたくて、その島へとやってきたのだ。
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2018/10/22
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また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫) / 感想・レビュー
しんごろ
『どこよりも遠い場所にいる君へ』の姉妹編というよりは続編に近いですね。和希、幹也、高津さんにまた会えたのは嬉しいです。たとえ未来の先はわかっていても、精いっぱい全力で思い残さないように1日1日を前に進みたい。そう教えられた物語でした。だから、爽太よ!全力で駆け抜けてくれ!今を全力で駆け抜けていけば、きっと未来も変わるかもしれない。爽太、頑張れよ!とエールを送りたくなりました。爽太と五鈴にいっぱい幸あれ~!
2018/11/14
さてさて
『どうか、あなた自身と、あなたが歩んでゆく未来を信じてください』。小学三年生の時に”遠い未来 ー 2070年 ー へと時間を超えた”主人公の爽太。この作品では、爽太が前作「どこよりも…」の主人公・和希と心を通じ合わせていく先に『信じよう、未来を』と自身の未来を見据える姿が描かれていました。未来の描写が興味深く登場するこの作品。「どこよりも…」→「まだ君に…」の順に読むことで物語の奥行きが何倍にも深まるこの作品。切なさ募る物語の結末に、書名に込められた阿部暁子さんの深い想いが浮かび上がる傑作だと思いました。
2024/03/05
寂しがり屋の狼さん
前作を読んでから、かなりの時間が経っていたので、(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)ウンウンと登場人物を思い出しながら読み進めた…爽太達のピンチに和希が助っ人としてピアノを弾くシーンには鳥肌が立った。読み終えてタイトルと表紙の意味が解った時には清々しい気持ちに∩(´∀`)∩それぞれの想いが時間を越えて重なりあう素敵な物語でした。
2019/06/22
SJW
「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。今回の主人公は2011年の東日本大大震災で両親を亡くした爽太。爽太はその年に海で溺れ2070年の未来に1ヶ月半だけ滞在し五鈴に出会うが、現在(2021年)で五鈴に出会えると分かる。前作で離島の高校に通った尾崎と八宮も登場し爽太を支える。過去と未来が現在で出会うラブストーリー。是非、テレビドラマにしてほしい小説。
2021/05/14
南北
「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。東日本大震災で両親を亡くした爽太は小学生の頃、未来に行って戻ってきた経験があるのですが、その話を周囲に語ろうとしません。やがて大学生になり、音楽を通じて仲間も増えてきたり、前作に登場した和希と出会ったりしながら、前向きに生きていこうとします。颯太が未来で経験したことは決められた未来ではなく可能性の1つなのだというのは良かったと思います。
2019/07/27
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