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花は愛しき死者たちのために (集英社オレンジ文庫)

花は愛しき死者たちのために (集英社オレンジ文庫)

花は愛しき死者たちのために (集英社オレンジ文庫)

作家
柳井 はづき
香魚子
出版社
集英社
発売日
2022-07-20
ISBN
9784086804585
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「花は愛しき死者たちのために (集英社オレンジ文庫)」のおすすめレビュー

永遠に朽ちることのない少女の遺体に惑わされた者たちの、愛と悲劇の物語『花は愛しき死者たちのために』

『花は愛しき死者たちのために』(柳井はづき/集英社オレンジ文庫)

 これまでに数々の人気作家と、ヒット作を世に送りだしてきた伝統ある新人賞から、妖しくも甘美な物語が生まれ落ちた。2021年ノベル大賞準大賞を受賞した、柳井はづき氏のデビュー作『花は愛しき死者たちのために』(集英社オレンジ文庫)は、エリスという永遠に朽ちることのない少女の遺体をめぐる、ゴシックファンタジーである。

 硝子の棺の中に夢見るように横たわる、亜麻色の髪の乙女。その胸に抱く銀の短剣には、「エリス 罪深き者よ、安らかに眠れ」と刻まれている。決して腐敗することのない遺体エリスは、棺の運び手である黒装束の男によって運ばれ、時代も国も超えて姿を現す。美しき死体に魅入られた者たちに、束の間の恍惚と、破滅をもたらしながら……。

 人々の心を惑わせる遺体が生み出す悲劇の数々を、耽美なタッチで描いた『花は愛しき死者たちのために』。少女の死体をメインモチーフに据えるという、大胆な設定を取り入れた本作は、仄暗い禁忌の香りを纏いながらも、硝子細工のように硬質で透明な世界が展開されていく。

 以下、4編の連…

2022/8/23

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花は愛しき死者たちのために (集英社オレンジ文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

坂城 弥生

魅入られた人を破滅させていく腐敗しない死体のエリスー。謎が明かされるような続編があると良いなぁ。

2022/11/15

よっち

黒装束の男に運ばれ、時代も国も超えて姿を見せる硝子の棺に納められた美しい少女エリスの遺体。彼女の姿を見てその人生を狂わせてしまう男たちの物語。腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない棺の中のエリス。彼女を目の当たりにして執着するようになってゆく孤独な墓守の青年、友人の美貌に複雑な思いを抱く少女、そしてエリスのための秘密の集いにのめり込んでしまう成金貴族の息子たちの破滅。試すように彼らに引き合わせるカロンもまた謎めいていましたが、何よりも目にした人を破滅に導いてしまうエリスの異質さが際立っていました。

2022/08/26

おかだ

『花は愛しき死者たちのために 罪人たちのメルヘン』という続編から読んでしまったので、補完の為に手に取る。あ〜〜やっべーこれはシリーズ順に読むべきやったわ〜。カロンが何者か知った上で楽しめるかと思ったけど、この作品の中で徐々に明かされる謎にワクワクできないし知らない方が良かったなと。でも物語自体は続刊よりもダークでディープで救いがない感じで、ダークメルヘンの世界にしっかり酔える作品。面白いので更なる続編も希望。

2023/05/01

ちょっと、不思議で怖くて切ないお話。

2022/10/01

栗山いなり

硝子の棺に横たわる腐敗しない死体・エリスに狂わされていく人々を描いた物語。エリスに囚われ、狂気に染まった挙句悲惨な末路を辿っていく人々を描いたこの物語は一種のホラーだった。結構すさまじい物語を読んだ気がした

2022/08/07

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