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米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

作家
米原万里
出版社
集英社
発売日
2007-08-17
ISBN
9784087204063
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あらすじ

稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。世の中に男と女は半々。相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか――〈愛の法則〉では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。また〈国際化とグローバリゼーション〉では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。4つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。【目次】本書に寄せて――池田清彦/第一章 愛の法則/第二章 国際化とグローバリゼーションのあいだ/第三章 理解と誤解のあいだ――通訳の限界と可能性/第四章 通訳と翻訳の違い

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

米原万里さん晩年の講演集。これらの日々、彼女は癌との闘病中であったようだ。4つの講演録を収めるが、後のものになるほど実感的だ。逆に言えば、最初の「愛の法則」は、男女を生物学的に語っているのだが、かなり思い込みの激しい暴論めいたものになっている。本のタイトルをここから取っているのは、編集者が売れ行きを優先したためだろう。警句としてとりわけ慧眼なのは「アメリカ人の言うグローバリゼーションは、自分たちの基準を押し付けることであり、日本人の思うグローバリゼーションは世界の基準に自分を合わせることだ」というくだり。

2015/06/14

新地学@児童書病発動中

米原さんの4つの講演をまとめたもの。いずれも面白い。言葉を愛し、人を愛し、下ネタを愛した(笑)米原さんの愛すべき人柄が伝わってくる。1章の「愛の法則」は男女の恋愛を多方面の知識を動員して、赤裸々に語ったもの。高校での講演だが、まじめな先生はけしからん!と思ったかも。2章は日本の安易な国際化論に警鐘を鳴らしたもの。鋭い舌鋒に唸った。3章は言葉の意味の伝わり方を自分の体験に基づいて語ったもの。優れた言語論になっている。4章は語学をマスターする上で一番大切なことを語っていている。言葉好きの方にお勧め。

2015/02/04

aika

宙に浮いている、と思っていた国際化、グローバル化、などの言葉の真意が、日本人にとっては物差しを世界に合わせることなのだ、との米原さんの指摘が、すごく腑に落ちました。自然によって大陸から切り離され、大国中国の文化に影響を受け、開国と鎖国を繰り返したという歴史的な観点から日本の文化や言葉を辿ると、日本という国が客観的に見られ、もっと日本のことを、世界のことを知りたいと思いました。文学に触れることや他言語学習を通して日本とロシアを、人の心と心を通わせてきた米原さんの言葉は、含蓄たっぷりです。

2017/12/10

Miyoshi Hirotaka

世界的名作のヒロインは「若い美女」。法の前の平等を目指した市民革命や経済的平等を目指したプロレタリア革命にも関わらず、恋愛には理不尽な不平等が存在する。小説では男が主流で女が傍流だが、生物の世界では、オスは生き延びて質を求めるメスにより優秀な遺伝子を提供するだけの存在。女の幸せは「お姫様」。選択肢を多く持つことが幸せの証。男の能力を試す物語が各国に残るのは、その願望の表現。種の保存という使命から解放されてからの寿命は女の方がはるかに長い。若い美女だった人もお姫様になりたかった人も、楽しく生きるべきなのだ。

2014/10/18

佐々陽太朗(K.Tsubota)

米原万里さんの講演録四本が本にまとめられたものです。米原流男女関係論・国際関係論といったところ。たとえば国際化について彼女は「日本人の言う国際化は国際的な基準に自分たちが合わせていくという意味だが、アメリカ人の言う国際化(グローバリゼーション)は自分たちの基準を世界各国に強要していくという意味であって、全く正反対の意味を持っている」と喝破する。まことに慧眼と言うべきである。お得意の下ネタも交えて楽しくも目から鱗の講演である。本ではなく会場で聴きたかった。

2011/08/31

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