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資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書)

資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書)

資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書)

作家
金子勝
出版社
集英社
発売日
2015-03-17
ISBN
9784087207774
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資本主義の克服 「共有論」で社会を変える (集英社新書) / 感想・レビュー

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ゆう。

本著は、安倍政権のすすめるアベノミクスを批判して、それにかわりうる資本主義の発展のあり方を論じたものだと思います。著者は、新自由主義的なグローバリズムは、米国の制度やルールを押しつけているだけだと批判します。そして、打開していくためには、より平等性を高めながら自由を創り出し、社会の多様性保持を価値基準とする新しい「共有論」が大切だとしています。そのためにも地域民主主義の基盤を創ることを提唱します。著者と僕とは資本主義に対する評価の仕方に違いはありますが、学ぶべき点も多くありました。

2015/04/26

matsu04

氏は、現代日本の閉塞状況を打破するため「共有」という概念を持ち出し、社会を変えていくべき原理だと力説するが、どうにも分かりづらい。傍論で、日本社会の現実を誰もが責任を取らない「無責任の体系」(丸山眞男を引用)とした論についてはとてもよく分かるのだが…。

2015/07/15

こういち

暮らしが良くなっている実感など持てないのに、全く選挙戦が盛り上がらない。それどころか投票率は大きく下落し、地方に変革の兆しは見当たらない。このままで本当に良いのか。日々の生活に追われ、将来を見通す気概が薄まってきているのではないか。本書における何を共有として何を私有とするのかという問題提起は、まさに足下の議論であり、成長戦略の鍵となる。価値観がスライム化する時代だからこそ、「生活に密着する政府」と「外交的交渉を行う政府」に大別し、責任と信頼を高めていく必要がある。

2015/04/28

skunk_c

財政学者による未来に向けての提言で、著者の近年の多数の著作のダイジェストとなっている。国民国家はそれぞれの「制度の束」より成り立っており、「新自由主義」の言う「規制緩和」は、アメリカの制度の押しつけで、その結果それぞれの国や社会の持っていたセーフティネットを破壊するとの論は、『ショック・ドクトリン』に通じる視点で納得。グローバリズムは5層のレベルの上層に過ぎず、各レベルに合わせた対応が必要と説く。また情報の独占を防ぎつつ共有化し、それを元に地域分散ネットワーク型のシステムの構築が未来に通じるとする。

2015/04/29

coldsurgeon

資本主義を克服するとはどういうことだろうかと思い、手に取った。国民の生活を維持するシステムがほころび、経済格差が拡大し、セフティネットが破綻、これからどうなるのだ日本よ、と思いながら読んだ。無責任しか存在しないような体制の下、地域の自立性を高め、地域の住民が自己決定していくことのできる社会的な枠組みが必要であり、地域分散型ネットワーク型システムが必要だと説明する。社会的価値の中心に何を置くかを考えるのが、第一歩だろう。

2016/02/09

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