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テンプル騎士団 (集英社新書)

テンプル騎士団 (集英社新書)

テンプル騎士団 (集英社新書)

作家
佐藤賢一
出版社
集英社
発売日
2018-07-13
ISBN
9784087210408
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テンプル騎士団 (集英社新書) / 感想・レビュー

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まーくん

名は聞いたことがあるが・・。某有名作家の「騎士団長殺し」も読んでないし(全然関係ないか?)。1307年、フランス王による騎士団メンバー一斉捕縛から説き起こされる。十字軍遠征の後の聖地エレサレム巡礼。その街道筋警備を使命としたテンプル騎士団。修道会規律も取込み、教皇お墨付きも得て軍事集団として急成長。更に欧州各地に拠点を広げ、金融、海運業も営む巨大国際組織に。そして200年後のその日、危機感を抱いた世俗権力に突如壊滅させられる。中世ヨーロッパ。教皇権威と世俗権力。その間に咲いた徒花のよう。知らなかった歴史。

2018/07/25

エドワード

たまには歴史の本を読もう。それも教科書の隅っこにあるテーマを。テンプル騎士団―十字軍の時代、エルサレムへの道の安全確保のために、9人から始まり、瞬く間に一大勢力となる。封建軍と異なり、統制のとれた最強の常備軍であり、修道士であり、土地と船を持ち、西方世界と東方世界に数多くの支社を置き、旅行業と金融業も兼ねた、融通無碍なカンパニーだ。王家の経理をまかされ、国家をもしのぐ力を持ったがために滅ぼされた。佐藤賢一氏が度々スター・ウォーズのジェダイ(騎士だ!)を持ち出して、流麗な筆致で描き出す中世にワクワクする。

2018/08/03

nnpusnsn1945

テンプル騎士団は常備軍、修道院、地主、農場、そして銀行を担った組織でもあった。支部は米軍基地のように治外法権となっており、その国の王様が逃げ込むケースがあるほど強かった。一時期は強く、十字軍後も銀行として役割を担ったが、次第に各国の王から恨まれ、騎士団内の風紀も退廃し、やがて解体に至った。しかし、一握りのトップが処刑されたのを除いて割りと関係者が無事だったらしい。ポルトガルではほぼそのまま残っているようだ。組織力の強さから、今日もフリーメイソン等陰謀論のネタにされるが、史実も中々面白い組織であった。

2022/10/03

molysk

テンプル騎士団は、十字軍国家で巡礼者を保護するために設立された騎士修道会。同時に、上意下達の命令系統をもつ常備軍であり、寄進で得た資産を活用して融資も行う金融機関であり、融資を通じて諸侯への影響をも行使できる、軍事的、経済的、政治的に強大な、近世的な組織であった。十字軍の終焉でその大義を失うと、ローマ教皇と対立して国家の世俗化を目指すフランス王フィリップ4世にその資産を狙われる。突然の拘束。拷問による自白。そして、団長の火刑。聖地防衛のために結成された騎士団は、異端の汚名の下に悲劇的な結末を迎える。

2020/01/18

星落秋風五丈原

映画『ダ・ヴィンチ・コード』で一躍名が知られたテンプル騎士団。本書は彼等が一斉に逮捕される場面から始まる。聖地エルサレムへの巡礼者護衛の目的で自然発生的に結成されたテンプル騎士団が、なぜ時の権力者から敵視される存在になったのか。三部構成から成り、一部と三部は本の上での現在―テンプル騎士団逮捕劇―が扱われ、二部でテンプル騎士団の歩み―過去―が紹介。護衛目的なのだから騎士としての役割が先に来る。それも、日本では織田信長が目指した常備軍に近い、軍事の専門家ばかりが集められる。「常備」のための容れ物―建物が。

2018/08/08

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