ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと (集英社新書)
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ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと (集英社新書) / 感想・レビュー
さきん
本書では触れられていないが、欺瞞に満ちた報道→読者の減少→給料や取材費の減少→現場取材の見返りの少なさから優秀な人材ほど前線から離れたがる→取材の質低下→欺瞞に満ちた報道と悪循環に入っているのではないかと感じた。報道各社も独自の取材ルートを確立できていないから横並びの報道になってしまい、地方や海外、理系分野の特ダネが転がったままになってしまっている。
2021/11/30
jima
「政権と記者クラブの距離が近すぎる」それに違和感を持たなくなってしまっている。「『ニコニコ』と『ニヤニヤ』どちらも笑っている時の描写だけれど、どちらを選ぶかに記者の好意、悪意が込められている」なるほど。
2022/02/13
Yappy!
あまり期待していなかったけれど、面白かった。これから望月氏を追ってみようとも。 ジャーナリズムの劣化に加え、政治や官僚のおかしい点も二人の対談で赤裸々に出てくる。官僚についてはよくある以上にはないけれど、政治家の会見時の「事前通告」の問題点についての部分はもっと皆が考えるべきところ。国会答弁ならまだしも報道相手にまで事前通告しだしたら、ただのお遊戯会じゃないか。 ”自分たちの報道が社会的制裁を担っていると感じて自分を正義の側にいると勘違いする記者”が、報道を嫌いになる一番の理由かと。何様?って思う。
2021/12/30
Melody_Nelson
森氏の言う「最近の報道は懲罰的な傾向が大きくなっている気がする」に納得。テレビでも、そこまで尺取る?っていうのもあるし。正義って気持ち良いんだろうな。主観と客観や、FakeとTruthなど、明確なラインなどはないことを意識せねばならない。森氏が指摘した、記者よりもエリート社員でいること、泥臭い取材よりも出世を目標としている記者が増えてきた中、望月さんは「空気を読まず」やっている稀有な記者かも。記者クラブの空気も壊して頑張れ。
2021/11/20
どら猫さとっち
森達也監督のドキュメンタリー映画「i-新聞記者ドキュメント-」に伴い、刊行された本書。監督と出演者という立場で語り合う、ジャーナリストの矜持と在り方、メディアの問題点と課題。生憎映画は観ていないが、本書でその一部分が垣間見えて、とても興味深い。安倍・菅政権が終わり、岸田政権になっても、メディアの劣化は、年々進み続けている。本書は、日本のメディアを正す必要性を訴えている、稀有な存在である。
2022/06/30
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