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掃除屋 プロレス始末伝 (集英社文庫)

掃除屋 プロレス始末伝 (集英社文庫)

掃除屋 プロレス始末伝 (集英社文庫)

作家
黒木あるじ
出版社
集英社
発売日
2019-07-19
ISBN
9784087440041
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「掃除屋 プロレス始末伝 (集英社文庫)」のおすすめレビュー

「プロレスってヤラセでしょ?」と思っている人に読んでほしい! 長州力も推薦する最上級のプロレス小説! リング上で語られる真実とは?

『掃除屋 プロレス始末伝』(黒木あるじ/集英社)

 プロレスが好きだというと「どこまでがヤラセなの?」と聞いてくる人が時々いる。いや、ヤラセなんかないよ、と言ってもいまいち信用してくれないのは、他の格闘技と違って勝ちの最短距離を狙わないからだろう。相手の技を「受ける」のがプロレスだし、跳ね返すことはあっても、逃げない。よけない。ときに相手と動きをあわせてアクロバティックなパフォーマンスをしてみせる。それを見て、真剣勝負ではない、と思うのかもしれないけれど、そうじゃない。

 私たちはプロレスを通じて、勝ち負け以上に闘う人たちの生き様を観ているのだ、ということが小説『掃除屋 プロレス始末伝』(黒木あるじ/集英社)を読むとわかる。

 主人公は、ベテランレスラーのピューマ藤戸。依頼のあった相手をリング上で制裁する「掃除屋」稼業に手を染める、いわゆる闇のレスラーだ。依頼にもよるが、相手に致命的な怪我を負わせながら、本人にも観客にも気づかせず巧妙に負ける。よほどの実力がなければできないことだが、彼が“まっとう”なプロレスをやめたのには理由があった。15年前、ラ…

2019/8/25

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掃除屋 プロレス始末伝 (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みも

5話の連作短編プロレス小説。50歳目前のベテランレスラー。憎まれ役で連戦連敗…という表向きの顔の裏に隠すのは、高額報酬で請け負う闇の始末人稼業。リング上で対象レスラーに巧妙な技を仕掛け、長期離脱か廃業へと追いやる。と言うと極悪非道に聞こえるが、本作はヒューマニズムに則した人間賛歌。始末される者、依頼する者、そして闇稼業を暴かんとする者、各々が信念を持ち懸命に生きる姿は眩しい。虚実混淆のプロレスの奥義を簡潔に語り、男気と哀愁の美学でリングを彩る。著者のプロレス愛が伝わる。更に加えて女医の奈良さん、魅力炸裂!

2021/03/09

かずー

プロレス好きなので読んでみた。ベテランレスラーのピューマ藤戸は、依頼を受け、リング上で相手に制裁を加える裏稼業をしている。もっとプロレスの試合を描いているのかと思ったが対戦のシーンは数な目で、残念だった。団体、選手、実況の名前は架空のものであるが実在のものに似ているのがプロレス好きには楽しめた。

2020/07/09

R

読むプロレスでもあるが、探偵もののようなテイストもあって面白い小説だった。悪辣なレスラーを事故に見せかけて始末するというと物騒な感じだが、あくまでも試合のアクシデントを装うというのがポイントで、その手法も面白かったが、動機や依頼者などの人間模様も多様で楽しかった。実際のプロレスがある種の虚構だと思っている自分には、少々疑問もあったけど、そういうことを考えず、こういう物語があると信じて読むと、より楽しめると思った。ほどよいコミカルさと、プロレス稼業の金にまつわる話がリアルで楽しい。

2022/06/06

Shoji

私はプロレスが大好きです。だからとても面白かったです。反面、プロレスのギミックを理解し得ない方には茶番かもしれません。物語のプロットもプロレスのギミックを存分に織り込んだ人情劇になっています。いぶし銀の主人公、中継アナウンサー、レフェリー、ドクター、レスラー仲間、登場人物がそれぞれいい仕事をします。プロレス・エンターテイメントを存分に味わいました。そう、プロレスはエンターテイメントなんです!

2019/07/31

mr.lupin

黒木あるじさん初読み。プロレスを題材にしていると言う事で、一体どう言った展開なのか興味津々で読了。依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬で請け負っている。思っていた以上に奥深く、また隠された人間模様や生きざまなど、プロレスファンじゃなくても楽しめる内容だった。☆☆☆★★

2021/02/23

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