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透明人間は204号室の夢を見る (集英社文庫)

透明人間は204号室の夢を見る (集英社文庫)

透明人間は204号室の夢を見る (集英社文庫)

作家
奥田亜希子
出版社
集英社
発売日
2020-05-20
ISBN
9784087441093
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透明人間は204号室の夢を見る (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ムーミン

「才能と内容を除けば、私のことを描いているみたいです」といって若い同僚から勧められた一冊。なるほど、今の生徒たちと向き合っていると、一定数いるんだろうなとうなずけました。

2021/03/19

波多野七月

人とうまく話すことができずに、まともな人間関係すら結べない。「グループを作れ」と言われれば、つねにあぶれてしまう。そんな弾かれる痛みを知っている人間の心を、この物語はえぐって掠めていくだろう。孤独であればあるほどに、人は全力疾走で逆走する。けれど、世界への正しい向き合い方でなくてもいいのだと思えた。心のなかに手をねじ込まれて、その奥にある痛みごと引きずりだされたような、ひりついた感覚がいつまでも残る。ラストのその先へと、手を伸ばしたくなった。

2020/06/20

かば

「正しい」人生を半ば諦めた主人公が「健全な」カップルにストーカー紛いに接近しながらも仲良くなっていく物語。「グレーな青春小説」と巻末解説で評されていたがまさにその通りで、かび臭くて陰気でどうしようもない人生が一瞬の美しさにたじろぐ姿が繊細に描かれている。美の目撃者は、やがてこのどうしようもない自分もその光に包まれることへの希望の波に美しく飲み込まれる。潮が引き現実の岩肌が再び姿を表したとき、残るのは無残な姿をした青春の死骸かもしれないが、掴めなかった恍惚の記憶はその先の人生をどこまでも照らすはずだ。

2020/06/01

matsu.shin

小さな自己否定を積み上げることで、自分の存在意義を生み出し、肯定する。 一方、特定の他者の存在を受容することで、直接的な自我確立のための道具として用いる。 非常に気持ちの悪い作品です。 それなのに、主人公を完全否定できない、どこか自己投影し、愛着する覚えてしまう。 読みやすい文体ながら純文学のような本質を備えた良作でした。 装丁と作品の内容のギャップが大きすぎ、表紙で敬遠してしまう方がいるかもな、、

2020/08/31

えっちゃん

書き出しから心掴まれたの。 高校生で小説新人賞を受賞し、その後、小説が書けない実緒。書店で実緒の著作を手にした青年(春臣)を見かけ、後をつけ、家と名前を特定する。 人とのコミュニケーションが苦手なはずなのに、実緒の春臣に対する行動力に驚く。彼女(いづみ)に接触したことにも驚く。 春臣を見かけてから書けるようになった実緒の掌編、読んでみたい。 タイトルの意味…まんまだったな。自分を透明人間だと思うの何だか悲しい。 でも、ラストの春臣と実緒のやり取り、やっぱりこうなったか!と思ったけど、希望が見えて良かった。

2021/09/21

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