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鏡の背面 (集英社文庫)

鏡の背面 (集英社文庫)

鏡の背面 (集英社文庫)

作家
篠田節子
出版社
集英社
発売日
2021-05-20
ISBN
9784087442434
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鏡の背面 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ふじさん

薬物やDV等の問題を抱えた女性たちの救済を目指す「新アグネス寮」で火事があり、聖母と慕われた松本尚美が死亡した。しかし、遺体は別人の者だった。死亡したのは誰なのか?施設代表の優紀と尚子を取材したことのあるフリーライターの知佳は女の正体に迫る。途中で、彼女たちは混乱しヒステリー状態に陥るが、以前に半田明美を追っていた元契約記者の長島からの貴重な情報や冷静な判断で、真相が少しずつ明らかなる。明美の所業が明らかになるつれ、戦慄が走る。人間の内面を深い洞察力で描いたサスペンス長編。読むのに苦労したが読み応え十分。

2022/12/07

ピース

女性の避難所でもある施設が火事になり日本のマザーテレサと呼ばれた小野尚子が焼死した。ところが後で警察から焼死したのは別人との知らせがある。真相を探る為にライターの知佳と施設長の優紀が動く。話としてはおもしろかったけどこんなことって本当にあるの?という感じだった。最後の終わり方も突然という感じだった。もう少し余韻がほしかった。

2021/07/11

hrmt

篠田作品14作目。シェルターを運営し問題を抱える女性たちに寄り添って慕われ、火事から入居者を助けるために死亡した小野尚子の遺体は別人だった。二十数年も身替わりを務めたその女は犯罪者で、けれど誰も疑うことなく小野尚子だと思っていた。所作や言動を真似、その考え方までをも自分に刷り込むことで、初めは確かに犯罪計画だったものがいつしか限りなく尚子本人と同化していく。人の認識力が曖昧なように人間は気持ち次第でどうとでもなるものだ。尚子になりきることで結果的に生き直すことになり邪まな己から救われていたのかもしれない。

2022/02/06

やっちゃん

先が気になって一気読みしてしまう面白さ。正義が悪に取り込まれるのはよく見るけどこれは新しい。声色は?モノマネも極めれば雰囲気出るけど‥まあキン肉マングレートもバレなかったしいいか。冷静な長島のおっさんがよかった。

2022/04/01

シキモリ

驚異的な献身ぶりから<聖母>と讃えられたNPO運営の老女が焼死。検死の結果、遺体が全く別人と判明する所から始まる物語。私がついつい手に取ってしまう【なりすまし】が題材のサスペンスで犯罪ルポタージュさながらの緻密さと読み応えがある。徐々に明らかとなる女の本性は聖母の実像と乖離し怖気を誘うが、中盤のオカルト路線がある意味で一番恐ろしい。終盤でもう一捻りあるかと期待したが、長丁場(本編630頁超)の割に平坦な着地点に収束してしまった。最後まで充分楽しめたので決して悪くはないけれど、流石にちょっと物足りないです。

2021/05/22

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