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絵金、闇を塗る (集英社文庫)

絵金、闇を塗る (集英社文庫)

絵金、闇を塗る (集英社文庫)

作家
木下昌輝
出版社
集英社
発売日
2021-06-18
ISBN
9784087442618
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絵金、闇を塗る (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ponpon

絵金こと広瀬金蔵。幕末期の高知県で活動した在野の浮世絵師。幕末を迎え、尊王攘夷と佐幕が激しく構想を繰り広げていた土佐で、彼の描く絵画に魅せられた人物らが歴史を動かしていく。現存する作品は魔除けに使われたというのも納得のオドロオドロしい画風。狩野派の絵師だった絵金がこの画風に辿り着いた理由は何故だったのか、誰しもが創作の背景を物語化したくなるだろう。だが絵金が主人公として動くのは第2章までで、以降は志士の物語になっている様にも感じ、史料も少ないようで限界があったのだろう。物語としては面白く満足の一冊です。

2021/11/03

シキモリ

幕末を生きた天才絵師・弘瀬金蔵、通称<絵金>。その絵に魅入られた土佐の名士達の生涯を描き出す連作短編集。絵金に関する知識が皆無なので、ネットで作品を検索してみたところ、蝋燭の火に照らされた鮮烈な赤色が目に残る。絵の魔力に囚われ、夢と現実が交錯していく物語は「人魚ノ肉」にも近しい質感。狩野派からの離脱、歌舞伎役者との邂逅を経て、尊王攘夷の起爆剤となる絵金の作品。芸術は時代の写し鏡という言葉を借りると、最終章の幕引きが一層妖しく香る。しかし、絵画が題材の作品は実物を見ない限り、補完出来ない部分が多かったり…。

2021/06/26

Dora

幕末に土佐に実在した絵師、弘瀬金蔵こと通称【絵金】。異端とも奇才とも言われた彼の絵は、まるで妖力を持ったように人の心の奥にある欲望や醜さを炙り出す。実際に遺された絵や資料が少ないため、世に知られることは無かったが、作者はそこに[坂本龍馬]や[市川團十郎]、或いは[武市半平太][岡田以蔵]等との関わりを絡めて、エンターテイメントに仕上げている。 どこか湿り気のある文章に、読んでいる自分も引き込まれるように魅入られた。

2021/10/20

RASCAL

歴史的にはさほど有名ではない(失礼)幕末の異端の絵師・絵金が、大阪や土佐で、市川團十郎、武市半平太、岡田以蔵、歴史上の有名人物をその絵で翻弄する。こういうのって一つ間違うととんでも小説になるが、その辺の塩梅が絶妙、いかにも木下さんらしい歴史小説。

2022/06/01

舟華

土佐の絵金こと広瀬金蔵の物語。様々な人間の目線で子供時代から亡き後まで描かれる物語。空間としての闇を着色する、人間の闇の部分を点す、惑わす、そんな絵を描くそんな人間であった。彼を嫌いで堪らない人でも彼の絵には結局のところ抗えない。赤という色を最大限に活かした絵師なんだろう。自分が実際に彼の絵を目の前にしたらどうなってしまうのか、と少し怖くなった。

2021/11/20

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