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あむんぜん (集英社文庫)

あむんぜん (集英社文庫)

あむんぜん (集英社文庫)

作家
平山夢明
出版社
集英社
発売日
2022-07-20
ISBN
9784087444087
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あむんぜん (集英社文庫) / 感想・レビュー

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キク

平山の描く世界はいつも暴力的でグロテスクで不条理に疾走していく。救いを求める淡い祈りは大抵かき消される。それでも僕は平山を読み続けている。平山の描く暴力的な世界は、確かにこの世界の一面の真実だと思うから。僕たちの生きている世界は血の匂いが漂い、不条理な暴力に溢れ、弱者からなぶられていく。その事実を思い出すために現実で毎回痛い目にあっていると身が持たない。そのことを思い出すために、僕は平山作品を読む。ただ今作はナンセンスさや不思議さが重視されていていつも以上に読む人を選ぶ作品になっている。食後には読めない。

2022/12/21

おすし

全てのボクのようなロクデナシのためにこの星はグルグルと回るんだ。そうなんだ。出所がどこか全く分からないけど元気が出てくるような励まされるような謎の満足感があるよね夢さんのお小説は。育った環境がままならない中学生男子の友情物語『あむんぜん』は長編で読みたいぐらい。『千々石ミゲルと殺し屋バイブ』サラ金に手を出したら最後ウンゲロの谷へ転がり落ち…これはウンゲロに気を取られると見失いそうになるが美しき愛の物語だ。この二編がダントツ好き。

2022/12/30

ちろ

一作目のチンパンジーの話はなんともかんとも。。でも読まされちゃう。下品が混沌としてる中に熱いものを感じてこころの中でガッツポーズを決めたり、振り回されたり。またもや愉しみました。

2022/07/28

じゅむろりん

現代日本の最底辺で生きる人々が、ちょっと上で生きている悪人に蹂躙され搾取されている様を、暴力と皮肉と小粋なジョークを絡めて編み出された短編集。リスペクトしているであろう様々な実在の人々を、冗談がすぎる名前やセリフでギャグに換えるセンスには感心してしまいます。マドンナたちのララ◯◯の替え歌や「ヲタポリス」のアイドル曲やコールは、平山氏がノリノリで歌いながら考えてますよね。絶対。唯一無二の非道なストーリーですが、どれも微かな希望や正気に戻った時の触れ合いが効いていて、油断した心にグッサリ刺さります。

2024/03/27

NAOAMI

糞とか尿が飛び交うとんでもなさ。殺すとか暴力とかが普通に思える位に悲惨な描写が重なる。なのに笑ってしまうツボが至るところに散りばめられて面白いったらありゃしない。主人公には理不尽も付きまとうが、ノー天気でもあり、どうにもならない底辺に安住してもいる。脳ミソのツボ圧しとかウンゲロとか。凶悪チンパンジーに掘られる男にふりかかるセカンドレイプ。阿呆らしくも大真面目な展開があるし、要所にホッとさせる妙な救いもあって盛りだくさん。「ヲタポリス」の駅員好きだな。「報恩~」は鶴の恩返しの醸す雰囲気とのギャップで(笑)。

2022/08/06

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