KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

漂砂のうたう (集英社文庫)

漂砂のうたう (集英社文庫)

漂砂のうたう (集英社文庫)

作家
木内昇
出版社
集英社
発売日
2013-11-20
ISBN
9784087451306
amazonで購入する Kindle版を購入する

漂砂のうたう (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミカママ

時は維新後10年ほど。武士の身分を失った定九郎は、遊廓の客引きという職を得たのだが、、、。そこに働く人々や、定九郎の兄、ひいてはお江戸中の混乱が、川底を流れる漂砂になぞらえて語られる。定九郎のダメダメっぷりにひき比べ、花魁の小野菊のオトコマエさが際立つ。気っぷのいい江戸弁、流れるような日本語、著者の個性をじゅうぶんに感じさせる作品だった。

2018/03/21

kaizen@名古屋de朝活読書会

直木賞】自分が苦手な時代物。舞台となる根津という地名は最近よく地下鉄で下りるので覚えた。上野と本郷の間。参考文献が沢山あるのはすばらしい。苦手な文献が多いのでちょっと小休止。参考文献一覧作成

2014/03/23

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

平成22年下期直木賞受賞作。明治維新から10年、武士という身分を失い、根津の遊郭の客引きとなった定九郎。郭の中の妓に己の姿を透かし、その正体もまだはっきりと現さない『自由』というものを求め、あるいは恐れ、戸惑い葛藤する姿を描く。明けたばかりの新たな時代の川底では、定九郎のようにそんな時代に翻弄されつつも、砂粒が静かにそして力強く動くかのごとくゆっくりと流れてゆく。今更ながら初めて読む作家ですが、美しい文章の中にも実力のほどがうかがえると感じました。他の作品も是非、読まないと♪

2018/02/12

ふじさん

直木賞受賞作。御維新から10年、御家人の次男坊の定九郎は出自を隠し、根津遊郭で働いている。花魁、遣手、男衆たちは、時代に翻弄されながらも、谷底で生きる男と女を描いた作品。この苦界から抜け出したと苦悶しながらも、決断できない定九郎の弱さがなんともやりきれない。逆に、花魁の小野菊の生き様が際立つ、最後に救いが待っている。後半には、様々な人々の思惑が交錯し、ミステリー的な要素も加わり、時代描写も巧みで面白さを増す。

2024/03/14

酔拳

江戸から、明治に時代が変わった根津遊郭が舞台です。遊郭で客引きしている、主人公や、兄貴分や、主人公につきまとう、噺家の弟子ポン太や、美しく、頭のいい、小野菊花魁など…登場人物の描写がうまいなと思った… それから、江戸から明治に変わった混沌とした時代背景がひしひしと、感じとれた。御一新や遊郭や、落語などよく調べあげてかかれてあり、完成度が高い作品でした

2017/02/27

感想・レビューをもっと見る