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世にも奇妙なマラソン大会 (集英社文庫)

世にも奇妙なマラソン大会 (集英社文庫)

世にも奇妙なマラソン大会 (集英社文庫)

作家
高野秀行
出版社
集英社
発売日
2014-04-18
ISBN
9784087451818
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世にも奇妙なマラソン大会 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

地下鉄や電車の中では読めない。途中で思わず何度も吹き出しそうになるから。これは2011年の刊行なので、最新刊ではないものの比較的最近のもの。同じ高野秀行の紀行本でも、以前のものとは違ってきているようだ。どこが、とも言いにくいのだが、以前はもっと読者を楽しませよう、面白く書こうという意識が前面に出ていたのが、最近の著書(例えば本書)では、著者が真面目に事柄に取り組んでいるのに、そこから面白さが滲み出てしまうといった趣きなのだ。エンターテインメント性が「板に着いた」というか「堂に入った」という域に達したのか。

2015/05/06

ゆいまある

腰痛を水泳で克服した高野さんは、フルマラソンの経験がないのに西サハラでのマラソン大会に参加してしまう。間違う力でもなんでもなく、深夜、酒に酔ったらネットに近づかないのは世の常識である。乗り越えたのは実は腰痛ではなくて鬱なので、その後もブルガリアで薔薇の香りのおじさんと愛に目覚めそうになったりと絶好調である。本の雑誌に書かれた短編集だが、秀作揃い。20代後半に治験のバイトに参加した頃も鬱状態であり、高野さんが鬱を繰り返していることが分かる。人を楽しませる仕事は精神が疲弊する。そして運動が治療に有効。

2019/02/06

buchipanda3

最初に題名を見て、無茶苦茶なマラソンを走って"うはははは"という感じだろうと思ったら、そんなこともあるが、それだけではなかった。考えてみれば高野さんはいつも現地での想定外の出来事の面白さだけじゃなく、そこの空気感から現地の人らが抱えているものをリアルに伝えてくれていたなと改めて思った。西サハラの現状ってなかなか目を向けないからなあ。スペイン、特にバスクの人たちとの繋がりになるほどと。ブルガリアのオヤジの話や改名騒ぎ、奇譚話も面白かった。やばいかもっていう「間違う力」があるからこそ出来ることもあるのだなと。

2021/01/03

mincharos

クレイジージャーニーで出てきた高野さん。独身時代にフルマラソンを何度か走ったこともあって、このタイトルに惹かれて読んだ。練習不足で灼熱&足場の悪いサハラ砂漠のフルマラソンなんて、無謀過ぎるー!!でも現地の人たちの応援や給水所でパワーが蘇る感じ、すごくよく分かって楽しかった大会を走った時を思い出した。またいつか走りたいなー。(注:練習はしっかりした状態でね)他の章もどれも面白く、特におじさんにやられそうになる話、めっちゃ面白かった。男同士の世界、、興味深いなーー。笑

2017/10/11

ケイ

題名にひかれて。創作かと思ったら紀行文のような体験談。思いつきで西サハラの砂漠で初フルマラソンに参加してしまう表題作。西サハラはモロッコに侵略(?)され、難民キャンプがあり、その支援のためのマラソンなのだが、難民キャンプと思えない明るさと暮らしぶり。この方は放浪癖のせいか、なかなかの体力の持ち主だ。笑いなしには読めないのに、放浪をして本を書いているという軽さを感じない文章力がある。実際、その後のブルガリアでの怪しい体験、そしてマジックリアリズム十分な奇譚集なども引き込まれて読んでしまった。おすすめの一作。

2015/03/31

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