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小説フランス革命 18 革命の終焉 (集英社文庫)

小説フランス革命 18 革命の終焉 (集英社文庫)

小説フランス革命 18 革命の終焉 (集英社文庫)

作家
佐藤賢一
出版社
集英社
発売日
2015-05-20
ISBN
9784087453171
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小説フランス革命 18 革命の終焉 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

やっと文庫本での佐藤さんの「小説フランス革命」全18冊を読み終えることができました。フランス革命については様々な歴史の本やミシュレ、マチエなどの名の売れた本は読んできましたがこのような物語仕立てにしてくれるとかなり面白さが倍増します。塩野さんのローマ人も物語と同じです。ロベスピエールという人物は、先の読める人だったと思いますが200年近く生まれるのが早過ぎたような気がします。楽しめました。しばらくしてからまた通読したい気がします。

2015/07/28

Y2K☮

誰よりも母国と国民の幸福を願い、私利私欲を捨てて理想を追い求めた「清廉の士」ロベスピエールが「独裁者」「暴君」「殺人鬼」と罵倒され、志半ばで断頭台へ。恐怖を用いて強制される正義なんてうんざり。急ぎ過ぎた事が反動を招き、結果的に革命の完成が遅れて余計な血が流れた。だが彼らのお蔭で今の我々の自由があるのも事実。「三国志」の曹操はあえて帝位に上らず、漢の滅亡を息子に託した。ロベスピエールにもあの鷹揚さがあれば。マクベスを思い出せ。きれいは汚い、汚いはきれい。マクシム、あなたの生涯から学んだ教訓は決して忘れない。

2015/05/27

e

とうとう完結です。ロベスピエールやサン・ジュストの失脚で幕を閉じた革命。三部会の招集からたった5年とは思えないほど密度が濃かった。ここまで多くの人が血を流したにも関わらずナポレオンの帝政だと思うと虚しさのようなものを感じますが、それでも人権や自由・平等の理念が根付いたことは大きかったんだろうなと思います。次は個々にスポットを当てた作品が読みたいです。

2018/12/17

mayumi225

全18巻,読み切った!2か月間で革命を疑似体験するようで,あっという間だった。フランス革命の印象が変わった,というか,むしろ今までその実体を何も知らなかったというべきか。フランスという国の,人間くさく,血なまぐさいまでのエネルギーが活き活きと描かれていて納得できたし,理想が燃え上がる刹那の美しさとその高揚が引いた後の醜い停滞の中に,人間の本質を見る思いだった。何もかもが行き詰まっていく革命の最期,ロベスピエール一派のあっけないとも思えるほどの幕切れにあって,サンジュストの美しさが救いだった・・・。

2016/12/21

イトノコ

再読。ついにロベスピエール派が処刑される。彼の過ちは革命を精神的な働きと捉え理想化し過ぎたことだ。革命と言えど根底には人々の営みがあり、それゆえに肉体からくる欲望からは逃れられないと言うのに。屋敷を出でて市井と交れと説くダントンらの手を取っていれば違った結末があったのか…いや、きっと彼にはどうにも受け入れられなかったのだろう。それはもはや政治であって革命ではないのだから。彼の志向した社会の革命と民主主義。それは共産主義を掲げるロシア革命を経た現代でも達成出来ず。それは人が肉体を持つ限り絵に描いた餅なのか。

2019/10/10

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