KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

残り全部バケーション (集英社文庫)

残り全部バケーション (集英社文庫)

残り全部バケーション (集英社文庫)

作家
伊坂幸太郎
出版社
集英社
発売日
2015-12-17
ISBN
9784087453898
amazonで購入する Kindle版を購入する

「残り全部バケーション (集英社文庫)」のおすすめレビュー

伊坂幸太郎ワールド全開!ちょっと間抜けな裏稼業コンビの友情ストーリーが魅力の『残り全部バケーション』

『残り全部バケーション』(伊坂幸太郎/集英社) 掛け違えられたボタンのように、ひとつ現実をずらすだけで、目の前の景色がたちまち間抜けに見えてしまうことがある。普段ならそのボタンをそっと元に戻しておしまいだが、そのまま過ごした先には何があるのだろうか。日常から一歩ズレた世界を面白おかしく温かく描き出す作家といえば、伊坂幸太郎氏をおいて他にいないだろう。

 伊坂幸太郎氏著『残り全部バケーション』(集英社)は、裏社会の下請け稼業に携わる2人の男の友情を中心とした小説。昨年12月に文庫版が発売されたこの本は、単行本発売当初から縦横無尽に張られた伏線が話題を呼んでいる。離婚する中年夫婦と娘、父親から虐待を受けている小学生男子、車に閉じ込められている女性、小学校時代の友人について語る映画監督…。連作短編の形式をとりながらも、伊坂ワールドが全開! 元々のファンの人も伊坂作品初心者の人も気軽に楽しむことができるライトミステリーだ。

「適番でメールしてみました。友達になろうよ、ドライブとか食事とか」。そんな明らかな迷惑メールが届いた時、あなたならどうするだろうか。普…

2016/1/6

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「残り全部バケーション (集英社文庫)」の関連記事

『あさイチ』でも話題に! ミニチュア写真家・田中達也が「装画」を手掛けた、見惚れてしまう本

『MINIATURE LIFE at HOME ミニチュアライフ アットホーム』(田中達也/水曜社)

 NHKの情報番組『あさイチ』に出演(10月1日放送)し、話題になったミニチュア写真家・田中達也さんをご存じだろうか。Instagramのフォロワー数は320万人超。2011年から毎日SNS上で発表しているアート「MINIATURE CALENDAR」では、日用品とジオラマ用人形を組み合わせたユーモアあふれる世界を生み出している。ブロッコリーの小さな木陰に憩う一家。連結したコッペパン電車に乗り込む旅行客。プールに見立てられた青いマスクを泳ぐ水泳選手…。ミニチュアの視点でみると、日用品は全く別のモノに見えてくる。2017年のNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』のタイトルバックを担当した他、田中達也さんは、書籍の装画も多く手がけている。そこで、田中達也さんが装画を担当した書籍を紹介! 遊び心あふれた装画を見ていると、ついつい本の中身も気になってきてしまうに違いない。

2021/10/8

全文を読む

【「伊坂幸太郎の20年」特集番外編】『クジラアタマの王様』でタッグを組んだ川口澄子が語る制作裏話

インタビュー:川口澄子

昨年7月発売になった伊坂幸太郎さんの『クジラアタマの王様』は、現実的な会社員小説の合間に、異世界RPG調のファンタジーコミックが挟み込まれる前代未聞の作品。伊坂さんが10年以上前から構想し、自ら持ち掛けた唯一のコラボレーション企画でもある。その『クジラアタマの王様』でコミック部分を担当したのが、川口澄子さんだ。もともと大の伊坂幸太郎ファンだったという川口さんに本作の制作裏話を訊いた。

一ファンとして、ほとんどの作品を読み込んできた伊坂幸太郎さんだからこそ、お受けできた仕事だと思います

かわぐち・すみこ●1973年、兵庫県生まれ。筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画コース版画分野卒業。画工。書籍や雑誌、パッケージ等で挿絵や図解、イラストルポを手がける。著書に『お茶のすすめ お気楽「茶道」ガイド』、『七十二候美味禮讚』(三浦俊幸氏と共著)など。装画近刊に『大名倒産』(浅田次郎)。  

 小説で描かれる“現実”と、セリフのないコミックパートで描かれる“夢”が、交互に展開していく『クジラアタマの王様』。川口澄子さんが伊坂さん…

2020/7/6

全文を読む

関連記事をもっと見る

残り全部バケーション (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

両端を比較的しっかりした構成の作品で固め、中の3つは緩やかなつながりを持った連作短編集。いずれも、絶対にないかとは言えないものの、およそ起こりそうもない設定の物語群。エンターテインメントに徹していて、作家自身も大いに楽しんで書いていたのではないだろうか。また、いずれの物語もエンディングには余韻を残す工夫がなされている。あえて1作を採るなら、表題作の「残り全部バケーション」、荒唐無稽な面白さでは「タキオン作戦」か。

2018/04/14

ehirano1

伊坂さんの作品だから、この辺はきっと“伏線”だろうな、と思って読み進めるもなんだか違うような気がしたかと思ったらそうでもなかったりそうであったりと散々踊らされた挙句最後にやっぱりやられるという始末・・・・・しかし相変わらず読んでいて楽しいですね。

2017/07/15

射手座の天使あきちゃん

「問題児」に「答え児」、「飛んでも8分、歩いて10分」、「残り全部バケーション」なんて言葉選びのセンス もうサイコー!(笑) 伏線回収は流石の貫禄だし「伊坂幸太郎」なーんも言うこと無しですね!! (^_^)v さいごのメール焼肉屋のメルマガだと笑っちゃいますけどね <(^_^;

2016/03/25

やな

完全にやられた。程よい読後感でした。

2016/02/13

fukumasagami

「岡田さん、何してる人?」 「さっきもお父さんに訊かれたけど、今日、仕事をやめたばかりなんだ」 「無職?」 「そう」 「駄目じゃん」 「駄目じゃないよ。明日から、もう俺の人生、残り全部、バケーションみたいなものだし。バカンスだ」 「意味分かんないだけど」早川沙希はきょとんとしていたが、そこでようやく俺を見上げるようにし、「バケーションってのはいいね」とにっと笑った。「わたしもそうしようかな、残り全部バケーション」 悩んだ末に、俺は正直に言った。「百年早えよ」

2016/08/01

感想・レビューをもっと見る