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どうしようもないのに、好き イタリア 15の恋愛物語 (集英社文庫)

どうしようもないのに、好き イタリア 15の恋愛物語 (集英社文庫)

どうしようもないのに、好き イタリア 15の恋愛物語 (集英社文庫)

作家
内田洋子
出版社
集英社
発売日
2017-08-22
ISBN
9784087456288
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どうしようもないのに、好き イタリア 15の恋愛物語 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

男と女、惹かれあうのは理屈じゃない、とでもいうか。いや、そんなことは身をもってわかってるんだけど。内田さんの美しくそれでいてキレのよい文章で読まされると、救いようもない男と女の物語にも、どことなくほのかな光が見えてくる。

2019/09/04

ヴェネツィア

文庫で再読。15の掌編からなる、いずれもちょっとビターな恋の物語。イタリアといえば、ナポリやカプリの陽光溢れる風土の中での情熱的な恋を連想しがちだが、ここに展開する物語はいささか趣きを異にする。舞台も、夏はともかく他の季節はなんだかほの暗くもあるシックで都会的なな街、ミラノ。若干の例外を除いては大人の恋である。しかも、その味わいはまことに陰影に富み、往々にして心のうちに悲哀の感情を内包する。それはミラノのモノトーンの世界にまことに似つかわしく、霧の中に沈潜してゆく恋の物語なのである。

2020/11/10

アン

内田洋子さんに初めて出会った一冊。庭の植木を愛する生地店の男性、浪費家のスター俳優と結婚し引退した女優、陽の当たらない部屋で「いにしえの薔薇」の香りを纏って恋人を待つ愛人…。ミラノのバールや品格のあるお屋敷街の風景、お洒落な服装や料理における観察眼と複雑な人間模様を紡ぐ手腕に魅せられます。「シャンパンの泡」のような儚い愛の歓びと哀しい心の澱。イタリアの風味がある、どうしようもない愛の物語15篇です。

2019/05/16

アキ

内田洋子初読み。どれも小粋な15編の短編集。ミラノの朝のあわただしいバールの空気から神父にうっとりする信者。信者の見立てをする生地屋の店主の人生に場面はフォーカスしていく「白い花に気をつけて」をはじめとして、すっきりとした文章、小気味のいい展開、そして最後に人生の選択を見せつけられる。連載のテーマがイタリア式恋愛術。かの国では情熱的で、別れる時はドライな男女の関係が興味深い。表題の「どうしようもないのに、好き」でのニニの矜持と、「赤い糸」でバルバラが自分についた嘘。男と女は出会いの数だけ物語がある。

2019/06/21

イオちゃん

アモーレの国、イタリア。恋に落ちたら、あっという間。例え相手が友人の夫でも‥。それだけに複雑な人間関係がありドラマが生まれるのかもしれない。時にクールに、時に温かい視線で、15の愛のドラマが語られる。幸せは束の間で、切ない話が多いのだけど、色々な情景を思い浮かべながら、読むのは楽しい。

2017/09/01

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