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ユートピア (集英社文庫)

ユートピア (集英社文庫)

ユートピア (集英社文庫)

作家
湊かなえ
出版社
集英社
発売日
2018-06-21
ISBN
9784087457483
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ユートピア (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

主人公女性三人の家族関係や背景を把握するのに、時間がかかってしまった。湊さんご自身がよく知る世界を描いてらっしゃるのだと思うが、地方の閉塞感が物語に厚みを加えている。途中からひょっとして…の予想が当たったのもうれしい。全体像としてはお得意のイヤミスなのだが、ラストちょっと消化できてない箇所があり、そこだけ後味悪い(笑)

2022/02/02

さてさて

『今回は、ひとことでいえば「善意の行き着く果て」みたいなものを書いてみたいと思いました』と語る湊かなえさん。人によって異なる『ユートピア』、そんな理想世界を実現しようという人達の善意の行き着く果てが描かれたこの作品。悪意でなく、どこまでも善意でなされることほどある意味でタチが悪い現実社会を生きる難しさ。何もない、何も起こらない日常に普通に見られる人の優しさ、あたたかさから差し出される善意の感情。そんな善意の感情に鋭く切り込んだこの作品。改めて『善意』とはなんなのだろうとふと考えてしまう、そんな作品でした。

2020/12/25

ソルティ

登場人物みんな嫌な人で最初から最後まで嫌ーな感じだけど、嫌じゃない部分もあるというか、人って一人一人いい所と嫌なところと併せ持っていて、これが普通だよな、と思う反面、こんな考え持たれてると信用ならない、とも思う。だから人って全面的に信用して付き合っちゃいけないのかも、と思う。子供も大人もみんな計算しながら生きている。「ただ、もう、今の自分はその姿がみっともないということを知っている。いや、気付かされた。カッコいい生き方、カッコいい自分、そこにしがみつこうとする姿がとんでもなく惨めなのだということを。」

2019/08/24

ゆのん

『ユートピア』か・・。誰しも理想とする状態ってあるだろうけど、この話の様に人間の内面の暗い部分からは絶対に逃れられないんだろう。自分より上と見れば妬み、自分より下と見れば見下す、憐れむなどなど。そういう感情も含めての人間なんだろうが『善意』にしても『悪意』にしても怖いな、人間って。集2018/3

2018/07/04

JKD

こういうイベントの立ち上げメンバーの典型でもある「ぼんやりとした仲間意識」の中にはどうしても自分がなんとなく主役になったような不思議な感覚に陥りやすい。傍目にはとても素晴らしく見える活動のはずだけど、本作品はこの脆弱な関係性を緻密にそして不気味に醸し出していたと思います。それにしても、こういう親を持つ彩也子と久美香は大変だな。ラストの手紙は感慨深いです。

2018/07/07

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