La Vie en Rose ラヴィアンローズ (集英社文庫)
「La Vie en Rose ラヴィアンローズ (集英社文庫)」のおすすめレビュー
妻の行動のすべてを知っていた夫がとった行動とは? 『ダブル・ファンタジー』村山由佳が描く、衝撃のラスト
『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』(村山由佳/集英社)
漆黒の表紙に咲き誇る大輪の薔薇――その濃厚な芳香に包まれるかのような村山由佳さんの美しく危険な恋愛小説『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』(集英社)。薔薇の花が美しさの中に危険な「棘」を隠し持つように、村山さんの小説もただ甘やかなだけではない。刊行から2年、いまだそのラストの衝撃に多くの読者の心が揺れ動く長編サスペンスが、このたび文庫化された。
薔薇の咲き誇る家で妻思いの優しい夫・道彦と暮らし、人気フラワーアレンジメント教室の講師をつとめる咲季子は、ある日、新しいムック本の打ち合わせで年下のデザイナー・堂本と出会う。世間からは「カリスマ主婦」と羨望の眼差しで見られる咲季子だったが、実は夫から行動を厳しく制限されていて、ことあるごとに「お前はバカだ」「無能だ」と罵倒され、夫の逆鱗に触れないように用心深く過ごすのが日常になっていた。そんな咲季子の生活を見て「まるで『人形の家』だ」と驚く堂本。そして徐々に堂本に心惹かれていく中で、夫のそうした行動が重度の「モラハラ」…
2018/9/20
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【刺激度初級★☆☆】実力派作家が描く恋と官能──『ラヴィアンローズ La Vie en Rose』
単行本『ラヴィアンローズ La Vie en Rose』(村山由佳/集英社)※文庫は9/20(木)発売予定
言わずと知れた恋愛小説の名手、村山由佳。抑圧から解き放たれた女性の生と性を描き切り、ドラマ化もされた『ダブル・ファンタジー〈上〉〈下〉(文春文庫)』や、2組の夫婦の絆と性癖が絡み合う『花酔ひ(文春文庫)』(ともに文藝春秋)など、官能的な作品においてもさすがの手腕を見せつける。
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2018/9/9
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La Vie en Rose ラヴィアンローズ (集英社文庫) / 感想・レビュー
あっか
美しい庭の風景や薔薇たちを始めとした四季の移ろい描写と、咲季子の心情や変化の対比が鮮やかで見事でした。開始40ページ読まずして、道彦に超絶胸焼け…こういう男って小説の中で大袈裟に描かれているだけなのだと思っていたら、現実にいることをもう知っているのでげんなりします…でも結局、咲季子ダメンズメーカーなんだと思うけど…あんな卑屈にビクビクされて、毎度顔色窺われてすぐ謝られたらそりゃダメンズになると思う。笑 後日談が読みたいなー。
2020/03/25
佐島楓
非常に簡単な図式で表すことができる人間関係なのだが、当人たちにはそれにとどまらない感情の揺れがある、というのがポイントか。殺意もこういったところから発生するのだろうという一種のリアリティはあった。
2018/10/19
だまだまこ
世間的には良い夫なのに、妻を見下し「俺がいなきゃ駄目なんだ」と繰り返すモラハラ夫。夫の機嫌を取り、自分の言いたいことも言えない咲季子。年下の男性との出会いをきっかけに生活は色を変えるが…。ダブル・ファンタジーと似た設定ではあるが、モラハラ夫からの脱出の仕方は異なる。正にサスペンス。恋は盲目、だけど目が覚めた時の現実からは逃げられない。もしこんな結婚生活だったら、どうすればよかったんだろう。ただ、平和に夫と楽しく過ごしたかっただけなのに。蕾のまま切り取られ咲くことのない薔薇が、すれ違う残酷さを静かに物語る。
2018/09/21
たーさん(^-^)
「ダブルファンタジー」の主人公の旦那さんもこんな感じだったけど、この物語の旦那もかなりのモラハラ😅ここまでひどくはないけど、ご主人に遠慮してる主婦って多いと思う。この咲季子の夫はプライドも高く、妻を蔑むことで自分を保ってる感じがした。結局は妻の親の土地の家だし自分はフリーの仕事でほとんど仕事してないようなもんだったしな。不倫相手の男も金目当てな感じだったし咲季子の人生って。カナダにいるご両親が悲しむだろうな。もっと違う解決方法があったと思うけど物語としてはとても面白く読めた😆村山由佳さんの作品は好き!
2019/08/10
ピロ麻呂
束縛が激しいのは愛されているから…夫に素直に従順する生活を送っていた咲季子が年下のデザイナー堂本と出会い、恋に落ちる不倫ストーリー☆実際にありそうな不倫の形かも?…結末は??だけど、全体的におもしろかったなぁ(^^)
2018/09/30
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