KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

みかづき (集英社文庫)

みかづき (集英社文庫)

みかづき (集英社文庫)

作家
森絵都
出版社
集英社
発売日
2018-11-20
ISBN
9784087458060
amazonで購入する Kindle版を購入する

「みかづき (集英社文庫)」のおすすめレビュー

「高橋一生主演でドラマ化と聞いて喜びに震えてる……!」2019年1月のドラマ開始前に『みかづき』原作の感想は?

『みかづき』(森絵都/集英社)

 2019年1月からスタートするNHKの土曜ドラマが待ち遠しい。2017年に本屋大賞で第2位を獲得した森絵都氏の『みかづき』がついに実写化されるのだ。さらに、主演は、高橋一生&永作博美。昭和から平成にかけて学習塾を経営する家族の物語を2人はどう演じるのだろうか。

 Twitterでは、「みかづきドラマ化するんだ、待ちきれんな」「『みかづき』が高橋一生主演でドラマ化と聞いて喜びに震えてる……!」「実写化を待ちわびてた森絵都さんの『みかづき』がとうとうドラマ化するみたいで今から楽しみすぎる!! しかもNHKていうね. 期待するしかない」など、ドラマを期待する声があとを絶たない。

 そんなドラマへの期待を反映して、原作小説『みかづき』の文庫本がついに刊行された。ドラマが待ちきれないファンたちは小説で予習し、ドラマの放送を待ってみてはいかがだろうか。この物語はドラマだけでなく、小説でも読んでほしい、感動巨編なのだ。

 高橋一生が演じるのは、教員免許はないが勉強を教える才能を持つ大島吾郎。彼は、小学校の用務員室で生徒の補習を行って…

2018/12/9

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「みかづき (集英社文庫)」の関連記事

好みの表紙から本を選ぶ! “ジャケ買い”のススメーー青い表紙編

 本との出会いは一期一会。何の気なしに本屋さんやネットで本を探していて、ふと出会ってしまう素敵な表紙の書籍。心をグッとつかまれたならそれは「買い」で間違いなし! 本稿では、ダ・ヴィンチニュース編集部がオススメする、“ジャケ買い”してハズレなしの作品のうち、青い表紙の作品をご紹介。

ドーナツを穴だけ残して食べる方法はあるのか? 【学者たちが真剣に解答】

『ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問 穴からのぞく大学講義』(大阪大学ショセキカプロジェクト:編/大阪大学出版会)

 ドーナツを穴だけ残して食べる方法はあるか。大人の私たちは、疑いもなくそんなの不可能だと思ってしまう。

 この命題をどこかで目にしたという人もいるだろう。かつてネットで取り上げられたこのネタには、次のような書き込みがされている。

統計派:「100万回食べれば1回くらい穴だけ残っているかもしれない」 芸術派:「私が存在しない穴を写実することでなんとかできないだろうか?」 言語派:「問いかけが漠然としていて厳密な対策が不可能」 報道派:「まずはドーナツに穴が空いているか世論調査すべき」…

2019/11/2

全文を読む

関連記事をもっと見る

みかづき (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

エンディングは実に巧い。この3世代にわたる、600ページを超える長編の掉尾を飾るにふさわしい。しかも、ここまでこの小説に付き合ってきた身にとっては、おもわず暖かい涙を落としそうになる。ただ、ちょっと気になるのは、読んでいる途中も、そし読み終える時のこの感覚が、なんだか重松清のそれに似ていること。今回の作品では学習塾を舞台に据えながら、日本の戦後教育という長いスパンから、そして現在の教育界が抱えている問題を真っ向から取り上げている。そんな硬派な題材でありながらも物語として成功しているのは、ひとえに吾郎を⇒

2019/11/10

ろくせい@やまもとかねよし

昭和30年代から現代を綴る壮大な物語。四世代にわたる家族らが主人公。二つの読みどころ。一つは塾経営を舞台に描写する日本の教育。物語は団塊の世代が小中学生の時代から、団塊ジュニア、その後減少してきた子供たちへの教育目標や機会平等の変遷を記し、「どんな時代も当世の教育事情を一様に悲観している」とまとめる。もう一つはどの時代も活躍する女性たち。戦中、戦後、高度成長、長いデフレ。異なる背景でも大きな志と強い信念をもち見事に後世を繋ぐ。「人生は生きる価値」があり「欠けている自覚があればより満ちようと研鑽を積む」と。

2021/12/23

三代目 びあだいまおう

期待以上に良かった。戦後から今、そして未来に繋がる教育会の難しい問題を塾経営の視点から紡ぎ提起しながらも小説仕立てで共感しやすい。GHQから民主主義、団塊世代からゆとりへと、都度都度の教育方針に振り回され未来を翻弄されているのは子供たち。『今は万事小器用な人間がウケる時代かもしれんが、要領のいいタイプは~~(本文)』のくだりは大いに共感です!私利私欲が壁ですが、学校と塾が子供の人間形成の土台造りを目的にタッグを組む、日本の一つの道筋ですね。きっとこれでも頁が足らなかったでしょう。締め方が秀逸でした‼️🙇

2020/02/24

エドワード

私は「個性を伸ばす学校」という表現は矛盾していると考えている。しかし教育に正解はない。多くの人は、自らが受けた教育と、子供たちが受ける教育しか知りようがない。また、その教育が、その人の人生をどのように導いたのか、あるいは、導かなかったのか、正しく検証することは難しい。だから、人はみな教育評論家になれる。日陰の存在だった学習塾を経営する一家の、戦後半世紀の壮大な物語。受験戦争、官民戦争、業界戦争が吹き荒れる、朝ドラじゃない、まさに大河ドラマだ。そう、教育に完成はない。だから、この本のタイトルは<みかづき>。

2018/11/27

こーた

人の子を育てるのは上手くても、自らの家庭ではうまくできない。文庫本600頁超の厚みに怯んでいたが、読めばたちまち惹きこまれて、三代五十年に亘る長大な物語も一気読みだった。飽きさせない展開と文体の軽み。その緩急がいい。塾は教育の月だ。満ちては欠けやがては沈み、またふたたび輝きはじめる。ときにその裏側まで描く構成の巧みさはあまりに見事だ。アウトローの凄みと、表裏のコントラストと。この国の諸問題は、詰まるところすべて教育の問題に行き着くのではないか。この重厚な大河ドラマを読んで、そんなことをおもったりした。

2020/12/30

感想・レビューをもっと見る