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青い月曜日 (集英社文庫)

青い月曜日 (集英社文庫)

青い月曜日 (集英社文庫)

作家
開高健
出版社
集英社
発売日
2018-11-20
ISBN
9784087458084
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青い月曜日 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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DEE

敗戦間近の少年時代、戦後の高校時代、文章を書き始め、後の夫人と出会い結婚、一人娘が誕生するまでの自伝。 仕事にせよ学問にせよ確固とした何かに依ることができず、戦争に全て奪われ、焦燥と絶望に苛まれながら自身に向かって「なんとかなる」と呟き続ける。 開高健をもってすらこの苦しみか… その明るいものを見失った心境は、程度の差こそあれ誰もが一度くらいは経験するのかもしれない。 本人がとめどない宿酔と表した期間の諦観と熱情がドロドロに溶け合った作品。他では語られなかったエピソードも満載で楽しめた。

2019/12/15

tsukamg

自伝的小説。戦前の中学時代から、戦後大学生の時に女を妊娠させ子供が生まれるまで。この女・牧羊子夫人のところが、すこぶる面白かった。『夏の闇』に出てくる女と比べると、タフでしたたかで明るい。この章にかかわらず男は常に滅形を感じているのだから、ことさら女に騙された、なんていうふうには読めない。これで良かったんじゃないか? と思うし、実人生においても結果論からいうとそうだったのではないか。

2022/03/19

ウテオンマ

開高さんの晩年の軽いエッセイが大好きですが、あ、このくだりは・・と既視感たっぷりの自伝的小説でした。これ、映像化してほしい。それにしても、女性についてもその森羅万象語り尽くした開高センセでしたが、意外にも初めての女性と結婚されたんですね。骨と皮で目だけがぎょろりとした少年なんていう若き日の描写があり、昔の写真を見てみたら、確かに目がクリっと。サントリーオールド舐めてるCMの姿は肉で押しつぶれてたのか。あー、でも生まれ変わったら開高センセの愛人になりたい夢はさらに確実なものになりました。

2019/07/19

芋煮うどん

戦争体験は、凄まじい原動力なのだ、と改めて感じた次第。

2019/11/25

Shinya Fukuda

第一部と第二部で文体が変わるのは執筆の途中でベトナム戦争の取材に行ったかららしい。個人的には第一部の方が好きだ。濃密な文体で体温、空気、臭いそういったものが目に見えるように表現される。友達がまた個性的で興味を惹かれる。尾瀬という人は有名な学者で、敏太という人は作家なのでは想像してしまったが私の知識では手がかりがない。 第二部の山沢は谷沢永一、ペンネーム森葉子でただ「女」と呼ばれるのは牧羊子だということくらいはわかった。

2019/02/03

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