読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ

自由なサメと人間たちの夢 (集英社文庫)

自由なサメと人間たちの夢 (集英社文庫)

自由なサメと人間たちの夢 (集英社文庫)

作家
渡辺優
出版社
集英社
発売日
2019-01-18
ISBN
9784087458299
amazonで購入する Kindle版を購入する

自由なサメと人間たちの夢 (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

おかむー

大森靖子の推薦オビとあらすじから想像していたほどに毒はなくライトなメンヘラ感といったところかな。『よくできました』。死にたがりに明晰夢、強化義手にサメとキャバ嬢の交流、どこか奇妙な仕掛けに絡めてヒトの弱さを浮き彫りにする作風は、共感を誘う登場人物の心の動きもあってどこか乙一作品に通じる感触。相互の繋がりはない七篇のなかで二篇だけ同じ仕掛けを使っているところがほんのり引っかかったかな。

2019/07/21

オスカー

アニメ「日常」のはかせを思い出してタイトル買い。ファンタジーかと思ったら心理学よりだった。最初の「ラスト・デイ」最後にホッとした。読んでいて、妄想だね、って片付けられてしまうかもしれないけれど、本人の中では真実としてそこにあるんだと思う。「虫の眠り」の“皆、自分の描いたストーリーを信じて生きている。皆、各々が信じる夢の中で、生きているのだから。”がこの短編集を言い表している気がする。現実世界の事件とかでもみんなちょっとずつズレているんだろうな、って感じた。なんとなく皆川博子さんを思い出した。

2019/02/15

橘@お休み

文通友達さんとの読書会の課題本としていただいた本です。初めましての作家さん。面白かったです。消えたかったり、現実から逃避していたり、という、なんだか近しい病んだ人々…と思ってしまいましたが、「サメの話」「水槽を出たサメ」がとても好きでした。「水槽を出たサメ」は、これがこの本の締めくくりのお話で良かった、と思いました。エーテルのサメが空中を泳ぐ様が綺麗で。そして涼香が前を向くのも。涼香も少女もサメを「サメ!」と呼んでいるのも好きです。この作家さんの他の本も読みたくなりました。

2019/03/23

niisun

人間たちのちょっと歪んだ夢が、人間から自由を奪っている。自由を得たサメが空から見た人間の不自由さは、人間たる所以だろう。ただ、人間だってある時までは「悪から宇宙を救う少女戦士になる」というような、周囲の環境には影響されない、まさにイッツ・ノット・ユア・ビジネスな、束縛のない夢を見られることを水族館の少女が教えてくれる。書き下ろしの「虫の眠り」だけ、全体から少し浮いている感じがしますが、ブレのないバランスの取れた良質な短編集でした。小説すばる新人賞受賞後の2作目だそうですが、これからが楽しみな作家さんです。

2019/03/21

かば

小説を読みながら私たちは世界に裏切られる瞬間を待ち望んでいる。その快楽の源は比類なき想像力であるはずだが、また同時に現実の残酷さを醸成する言葉の力も必要なのだ。この作家は、その両方を兼ね備えている。一瞬で現実が転覆する瞬間も、そんな希望が現実に轢き殺される瞬間も、どちらも見てみたい。その我儘な欲望を叶えてくれた。これはとんでもない掘り出し物なのかもしれない。

2019/02/05

感想・レビューをもっと見る