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天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

作家
村山由佳
小瀧 達郎
出版社
集英社
発売日
2007-10-19
ISBN
9784087462210
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天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

私達は日々沢山の言葉を使います。そんな中では『言ったこと、言えなかったこと』を後悔して尾を引くこともあります。しかし、そんな感情に引っ張られている限り人は前に進むことはできません。その感情と共にその場に縛り付けられてしまうからです。後悔の感情と共に生きる中には何も生まれません。『十年だよ。もう、いいよ。もう充分だよ』という歩太。そんな言葉の先に見る結末に夏姫の、そして祖母の死に後悔の感情を抱き続けた慎一が顔を上げる姿を見るこの作品。作品を超えて続く後悔の感情にようやく一つの区切りを見た、そんな作品でした。

2021/10/18

hiro

新刊の『天使の柩』を読むため、『天使の卵』を読み、映画も観て、続編のこの『天使の梯子』を読んだ。300P弱なので一気に1日で読了した。姉の春妃と同じように、妹夏姫の8歳年下の大学生慎一との恋愛を描いているが、ともに年上の女性を愛する慎一と歩太の違いが面白い。その慎一の歩太の影を感じ、夏姫を疑って起した行動により、10年が過ぎてもあのことを乗り越えられずにいる歩太と夏姫にも転機が訪れたように思う。次は『ヘヴンリー・ブルー』を読んでから、その後の歩太と春妃に会うために『天使の柩』を読むことにする。

2014/04/06

ちぃ~

「天使の梯子」きれ~ぃ。でもって、幻想~的( v^-゜)♪。そんな自然現象のような綺麗な作品。「卵」から10年。夏姫の「誰に何を言われても消えない後悔」、「一生抱えていくしかない後悔」との折り合い。フルチンも同じ後悔を持ちながら、一途に進む。そこに年齢差を越えた恋が。「卵」も良かったけど、「梯子」には更に、希望の光が明るい。それぞれの思い遣り深さ、優しさに涙、(ノ_<。)涙、、、いいよ~。一味違った恋物語。人にはいろいろな恋が残されているんだ~!。よし!!!

2015/08/11

にいにい

夏姫の自己受容物語。「誰に何を言われても消えない後悔」は、「自分で一生抱えていくしかない」自分を許す難しさ。乗越える大変さ。一人で越えられないのだろう。夏姫を後押ししてやれる歩太の優しさやフルチンの一途さ。「卵」も良かったけど、途切れたようだったのが、「梯子」では未来への繋がりを感じられ、登場人物それぞれの思いの深さに涙腺が、、、よかった。突然の別れでも、後悔しない生き方を。恋は不安を生み誰かを傷つけてしまうこともある。我を忘れ後悔することもある。でも恋は素晴らしい。宮沢賢治「光のパイプオルガン」。

2015/07/15

とん大西

うつくしい…。脆さも生真面目さも全てひっくるめて。春妃と歩太、その唯一無二の恋から十年。偶然の再会をはたした春妃の妹・夏姫と彼女の元教え子・慎一。もどかしくて切ない彼らの恋。今を生きるのか、明日のために生きるのか。過ぎ去った昨日の何もかも、春妃の何もかも。安らぎの訪れは面影を抱き続けることだけではない…よね。そうかもしれない、そうじゃないかもしれない。揺れ動く心がいたましくも清々しい、夏姫も慎一も、歩太も。前作「天使の卵」に引き続き、またもや恋の物語にココロ奪われました。

2022/10/18

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