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失われた町 (集英社文庫)

失われた町 (集英社文庫)

失われた町 (集英社文庫)

作家
三崎亜記
出版社
集英社
発売日
2009-11-20
ISBN
9784087464986
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失われた町 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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アイゼナハ@灯れ松明の火

もはや「あり得ること」として受け入れざるを得ない、町とともに人々が消滅する奇現象。そんな現象と隣り合わせでも、きっと人は生きていく。描かれるのは静謐な悲しみ。そして喪失の痛みに慄えながら、静かに静かに戦いを続ける人々の姿。多くの人が「穢れ」だとして目を背ける抗いがたい理不尽にさらされても、人から人へ、受け継がれていく想いは、徐々に力強さを増しながらやがて、明日への希望を載せたビートを刻みだす。初めは意味の分からなかったプロローグ、最後に読み返したら涙が出そうになりました。個人的には傑作です。間違いなく。

2011/02/10

ちょこまーぶる

読むスピートが場面に寄って差が出てしまった一冊でした。前半は快適に、そして中弛み、で後半も快適に・・・と言う感じです。中弛みの原因は、管理局関連の表現が結構言葉が難しく、もう少し分かりやすく書いてくれないかな~と思いながら読んでました。内容としては、仮想社会の話だが街に住む人が全員消失して、その町の関連している物すべてが感染しているということで、ある種恐怖感を持ちながら読み進めましたが、失われた人々と関係のある人たちが自分自身を鼓舞して、人のためや町のために生きていく姿は、立ち向かう素晴らしさを感じた。

2014/07/11

NADIA

うーん・・・何とも不思議な味わいのファンタジー。数十年に一度、町が消滅する。どうやら「町」の意志で。それだけでも十分なのだけど、消滅した町の記録は汚染の原因となるとか、同一性障害である一人の人間が二人の人間として「分離」して、それぞれがごく自然に生活したりとか(体はどうやって作るのだろう!?)、不思議が満載だ。この世界観はキライじゃないが、不思議が多すぎて浸れなかった(^^;; 再読は必至。

2017/10/17

はらぺこ

自分の脳では『鼓笛隊の襲来』みたいな短編やったら一応の解釈は出来るのですが、長編になると理解するのが大変でした。特に前半は造語(?)や日常の差異が出て来るたびに止まってしまいました。『分離するのって神様とピッコロ大魔王みたいな感じかなぁ』とか『アシンメトリーの人はアシュラ男爵みたいな感じかなぁ』とか『月ヶ瀬って奈良かなぁ』とか。 これが映像作品なら知らん言葉や造語が出て来ても、流して最後まで観られるので楽しめた気がします。 ト書きのさん付けが不自然に感じる事が有ったんですが何か意味が有るんでしょうか?

2012/11/05

ミナコ@灯れ松明の火

タイトルそのものや、理不尽によって町と人が失われるという設定に、どうしても重なってしまう事実があって読んでいて辛かった。どんな理不尽に襲われても残された人は生き続けなければならないという事実もまた同様に。悲しむことさえも許されない絶望的で圧倒的なことに対して、わずかな光を見つけてゆく様には勇気をもらえる。最初と最後の『エピローグ、そしてプロローグ』、最後まで読んで意味が分かった。終わりの始まりから、始まりの終わりへ続いてゆく物語。三崎ワールド、堪能できました。

2011/05/21

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