白夜行 (集英社文庫)
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「白夜行 (集英社文庫)」のおすすめレビュー
東野圭吾の超大作『白夜行』! 被害者の息子と、容疑者の娘の見えない絆のダークストーリー
『白夜行』(東野圭吾/集英社)
これは純愛なのか。はたまた稀代の悪女と哀れな男の物語なのか。東野圭吾氏の『白夜行』(集英社)は読む人によって様々な解釈ができる衝撃ミステリー。綾瀬はるか&山田孝之でドラマ化されたことでも知られるが、心に闇を抱えた男女の姿をおどろおどろしく描いたこの小説はミステリーファン必読の書といえるだろう。
物語の中心に横たわるのは、1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された殺人事件。疑わしい容疑者は複数挙がったが、決定打はなく、結局事件は迷宮入りしてしまう。事件当時、小学生だった、被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂はそれぞれ全く別の道を進んでいく。理知的な美貌を持つ雪穂は華々しい道、暗い眼をした亮司は暗い道…。しかし、2人の周囲には世にも恐ろしい事件が頻発していた。事件の真相を追ううちに見えてくる2人の関係。しかし、そこには確固たる証拠はない。そして、19年の時が経ったとき、2人にはどんな未来が待ち受けているのだろう。
この作品は文庫本で864ページにも及ぶ超大作。しかし、読者はその長さを感じる暇もないまま…
2018/5/1
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東野圭吾ついに電子書籍解禁! 『容疑者Xの献身』『白夜行』ほか、100万部突破&映像化7作品が対象
これまで著書が電子化されていなかったベストセラー作家・東野圭吾の作品が、2020年4月24日(金)より電子書籍化。直木賞受賞作『容疑者Xの献身』を含む7つの人気小説が、主要電子書店にて配信開始される。
2020年に作家生活35周年を迎え、最新刊『クスノキの番人』も大ヒットを記録するなど根強い人気を誇る東野。今回の企画はKADOKAWA・幻冬舎・講談社・光文社・実業之日本社・集英社・文藝春秋の7社が、出版社の垣根を超えて協力することによって実現された。
電子書籍化されるのは、平成を代表するミステリー大作『白夜行』や2017年に山田涼介主演で映画化された『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、“悪い東野圭吾”と話題を呼んだ異色作『ダイイング・アイ』など、東野ファンにとって見逃せない作品ばかり。対象作品はすべて「映画、またはドラマ化された映像化作品」かつ「累計100万部を突破している作品」となっており、合計発行部数は1288万部にも及ぶ。
中でも注目作は2008年に二宮和也主演でドラマ化され、最高視聴率22.6%を記録するほどの人気を博した『流星の絆』。何者かに…
2020/4/17
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白夜行 (集英社文庫) / 感想・レビュー
Tetchy
白夜行。なんと悲痛なタイトルか。明るくてもそれは日の光ではない。かといって安らかに眠るにはなんとも明るすぎる、中途半端な黄昏。決して無垢な光ではなく闇を孕んだ光の下で生きてきた桐原と雪穂の人生をまさに象徴している。すごいのは中心となる2人の心の内面を全く描かずにその人となりを浮き上がらせていることだ。表情と行動、仕種だけで2人の抱える心の闇や野望の深さを読者は知らされる。唐突に閉じられた結末ゆえに気持ちに整理の付かない自分がいる。しかしこの作品は東野氏が追求してきた人の心こそミステリの一つの到達点だろう。
2012/09/17
ヴェネツィア
著者渾身の長編。2日がかりで読了。集中し過ぎて眼精疲労に。実に面白い。従来あまり見られないタイプのミステリーかと思う。およそ100ページ前後で、それまでの事件のおおよその真相は想像がつく。そして、200ページあたりで、その推論にほぼ確信を持つ。後は二人が相利共生する理由と、事件の動機が残るだけだ。それは物語の終盤に明らかになるようでもあり、また最後まで闇の中のようでもある。とうとう語られることがないからだ。そして、この作品の優れた点はまさにそこにある。二人の心の荒野こそが語られるべき主題だったのだから。
2019/08/16
Kircheis
★★★★★ すんごい長い! そして東野圭吾さんの作品中ベスト3には入る傑作だと思う。 雪穂と亮司の二人が日の当たる場所を求め、パソコン技術と色を武器に戦い続ける。 これは白夜の中で太陽を求めた不幸な男女の19年間にわたる戦記でした。
2019/04/27
遥かなる想い
2000年このミス国内第二位。 東野圭吾という作家の凄さを身にしみて感じた一冊。ドラマ化もされたが原作には筆力がある。「西本雪穂」というヒロインを描く筆致には哀愁にも似た哀しみが感じられる。ドラマでは綾瀬はるかが演じていたが。
2010/05/05
どんちん
とうとう最後まで、二人の接点描写がなかった。二人の心理描写もなかった。それでも、まちがいなく二人は「二人はどこかで交差していることがわかる」。まさに東野魔術の術中にはまってしまった。本当に最後の最後まで展開が読めない19年の長きに亘る話であった。この二人がおこなった(と思われる)ことの是非は別とし、迷わず死を選び、目の当たりにしても関与をしない二人の心の強さには驚かされた、ラストシーンであった。
2012/09/29
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