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王妃の離婚 (集英社文庫)

王妃の離婚 (集英社文庫)

王妃の離婚 (集英社文庫)

作家
佐藤賢一
出版社
集英社
発売日
2002-05-17
ISBN
9784087474435
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王妃の離婚 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

15世紀末のフランスを舞台に繰り広げられる法廷劇。ルイ12世と王妃ジャンヌの離婚騒動を描くのだが、基本的な線はともかく、弁護士フランソワなどはフィクションではないかと思われる。通常はこの類の歴史小説の巻末に付される参考文献一覧がないことからも、創作の自由度は高いのではないだろうか。プロットもそれぞれの人物造型も単純ながら、物語の運びは巧みであり、推進力も大きい。なお、この作家の(あるいは本作に限ってであるかもしれないが)女性蔑視とまでは言わないが、男性優位のマチスモの姿勢は若干気にならないでもない。

2023/02/16

kaizen@名古屋de朝活読書会

【直木賞】フランスの歴史に疎いので、出だしは誰と誰が、何を問題にしているか、よくわからなかった。弁護士になった主人公が、元彼女が王妃の従者だったことを縁に王妃側につく。俄然、裁判物として面白い展開に。裁判のかけひき、最後に勝敗ではなく身を取るあたりが現代風なのか。

2013/12/11

遥かなる想い

西洋史は苦手だが、本書は 面白く読める。ルイ12世が王妃ジャンヌに対して起こした離婚訴訟というのがあったことすら知らないが、法廷ミステリーのような迫力で読者は引きずりこまれる。ラストもよい。ただ、やや露骨な表現が少し気になる。

2010/06/02

naoっぴ

面白かった!愛する女性と別れて失意と悔恨の中にあった男フランソワは、ある心境の変化からフランス王ルイ12世と王妃ジャンヌの離婚裁判の王妃側の弁護士となり闘うことになる。主人公の鬱々とした第1章を越えて、第2章に入るやいなや物語は急加速し心踊るリーガルサスペンスの流れに。当時の風俗や歴史も大変興味深いが、夫婦としてセックスしたのかどうか証明しろ云々(R18?)というくだらなくもユーモアある裁判進行は実に痛快。罵声と野次の大衆、どこまでも人間臭い登場人物たち。生命力溢れる中世の裁判劇を堪能した。

2017/01/25

hit4papa

15世紀フランス ルイ12世の離婚裁判を扱った西洋歴史小説です。訴えられた王妃の弁護士は、彼女の父親ルイ11世を憎悪する流浪の天才という設定。二十年の時を経て伝説の人あらわるで巷が大いに盛り上がる中、突飛な戦法使い、舌鋒鋭く不利な状況を徐々に逆転していく主人公。過去の因縁話しと並行しながら、法廷劇としての緊迫感が素晴らしいですね。現代の結婚・離婚事情を重ね合わせたかのような仕立て方も楽しめました。(想定内ではあるものの)人情噺としても良くできています。西洋の歴史が苦手でもオッケーな作品です。【直木賞】

2018/02/28

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