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冒険者カストロ (集英社文庫)

冒険者カストロ (集英社文庫)

冒険者カストロ (集英社文庫)

作家
佐々木譲
出版社
集英社
発売日
2005-11-18
ISBN
9784087478846
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冒険者カストロ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

見た目は男前ではないが、男前な男である。私にとってのカストロだ。必死で泳げばたどり着ける距離でも、公式には行き来できない米とキューバ。隣の大国をいつも揶揄し挑発し続けているカストロのユーモアのセンスは一流だと思っていたが、この本を読んで、彼は若い頃から演説が巧みでそのために革命を成功させた立役者だと言うことを改めて思い出した。彼には運も体力もあった。そして革命の最終段階にはゲバラもいた。キューバ危機に於いて、ミサイルの弾頭を大国に向けて並べさせた決意の強さを米ソ両国は侮り、結局は彼に翻弄されてしまった。

2014/11/27

財布にジャック

チェ・ゲバラの生涯についてはハリウッド映画でも何作品も観ることが出来ましたが、その時は脇役だったカストロについてもっと知りたいと思いました。調べてみれば佐々木譲さんがこんな本出していたんですよね。ノンフィクションまで書かれていたとは知りませんでした。キューバ革命を成功させたカストロの激動の軌跡が纏められていて、勉強になりました。それにしても、凄い革命家なんですね。命を狙われ続けても信念を曲げない若きカストロに感動しました。いつかキューバにも行ってみたいです。

2012/03/13

まつうら

アメリカの喉元で社会主義革命を起こし、政権を存続させているカストロはすごい人物だ。深田祐介「革命商人」で、チリのアジェンデ社会主義政権がわずか3年で失脚したことを知り、この二人の差はなんだろうと興味を持った。この作品でわかったことは、最大の敵であるアメリカの動きを読んできちっと対応したこと。カストロはそれができる戦略的なリーダーだったことだと思う。しかしその一方で、革命前にメキシコから上陸し、ハバナに侵攻するまでの軍事計画の粗雑さはなんだろう? たぶん、軍略のほうは政略ほど得意ではなかったのだろう。

2022/05/27

カストロ氏の幼少時代からキューバ危機までの半生を綴ったノンフィクション。カストロ氏は不屈の闘志を持つ勇敢な戦士であり、また知性とカリスマ性を持った非常に優れたリーダーでもあった。その反面、キューバ危機での行動や、後世自らも反省の弁を述べた経済政策の失敗等、政治家としての力量には疑問符がつく。あっさりした文章で読みやすく、公正な視点で書かれているのが好印象。ただ、キューバ危機で筆を置いているのは残念。もう少し後の時代まで追って欲しかった。

2014/06/04

かんちゃん

キューバ革命を成し遂げたカストロ。巧みな演説で革命の志士たちを味方につけていく。狡猾とは言わぬまでもそれなりに計算高く、単なる熱血漢ではない。ゲバラと対比されることが多いが、ゲバラが最後まで戦闘に明け暮れる純血の革命児だったのに対し、カストロはむしろ常に衆人の先頭に立つことを第一命題とする先導者だったに違いない。カリスマ性のあるリーダーだが、むろん弱点も多い。やけに人間臭い男だ。

2015/01/25

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