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能登怪異譚 (集英社文庫)

能登怪異譚 (集英社文庫)

能登怪異譚 (集英社文庫)

作家
半村良
村上 豊
出版社
集英社
発売日
1993-07-20
ISBN
9784087480467
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能登怪異譚 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

半村さんの怪異譚です。この作品集の中に収められている「箪笥」は、いくつかのアンソロジーで読んだ覚えがあるのですがここに収められているとは思いませんでした。能登地方の方言で語られる9つの物語は、村上豊さんの絵と相まって何とも言えない怖さというか余韻を感じさせてくれます。最初に収められている「箪笥」が一番印象に残るのですが、その他の「蛞蝓」や「蟹婆」が私は傑作であると感じました。

2023/10/09

ポチ

半村先生の伝奇小説は好きで良く読んでいましたが、この作品は知りませんでした。素朴な能登弁?が独特の雰囲気を醸し出している面白い作品ですね。

2019/08/24

yumiha

先日法事で能登の実家に帰ったとき、妹の話し方が訛っているなあと感じた。そんな能登の方言を駆使して書かれた本書。「おいね(諾)」「だちゃかん(駄目)」などの方言に久しぶりに出会って懐かしくなる。でも、「がっと(蛙)」は「ぎゃっと」と言っていたように、微妙に違うものもあった。怖がりの私なので「怪異譚」は昼間に読んだのだが、9話中7話が死にまつわる話だったから、就寝前読書にしなくてよかった。そのうち2話が間男と関係をもった「かあか(女房)」の末路だった。もしや作者も悩んでいて、作品で憂いを晴らした?と深読み💦

2023/10/21

あたびー

怪作「箪笥」を初めとして、全て能登弁で綴られた短編集。村上豊の暗黒趣ある挿絵がふんだんに挿入されている。作者半村良は東京の生まれとあるが、この能登弁をどのようにモノしたのかとか、この作品の生まれた経緯などについてもっと解説で語られていたら良かったのにと思う。「裏日本」という言葉は消え去ったけれども、冬の日本海は本当に厳しく重い。その風土の下に蠢いているかもしれない様々な怪異譚は、都会しか知らない人間を震え上がらせるに十分であろうと思う。それにしても、やはり「箪笥」の静謐な恐ろしさは抜きん出ている。

2023/02/24

おにく

読み友さんのレビューを見て、手に取りました。能登の素朴な方言とホッコリとした挿し絵が印象的ですが、見た目に反してグリム童話の原型のような恐い顛末のモノが多数収められており、人の良さそうな物言いが、一転して恐ろしく感じられる方言の響きがとっても良い。それでも斧を振り上げる爺さんより、冒頭の"箪笥"の意味不明さよ。八人の子供と女房、どうやって登るのか?腰の曲がった母親(ばぁば)までタンスの上に座って夜を明かす日々に、男は遂に家を飛び出す。集団ヒステリーや濃くなりすぎた血縁関係など感じられ一番ゾッとしました。

2019/01/25

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