破壊せよ、とアイラーは言った (集英社文庫 107-D)
破壊せよ、とアイラーは言った (集英社文庫 107-D) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆☆ 軟弱なものは排されるようなエッセイ集。プレイボーイに連載されたRUSHは、若者(ここでは若衆と表現されている)向けの熱いメッセージ。文章の熱さが一時期の大江健三郎を思わせる。表題作は、ジャズ特にフリージャズに傾倒した中上らしい鋭いエッセイ。ニューヨークから発信される中上の声が聞こえてくる。
2022/02/17
うえうえ
エッセイと中上18歳の処女作が読める。芥川賞落選は嫌なものだと書いている。芥川賞を取る前に何度か落選を味わったとき、三島が生きていれば、評価してくれたはずだと思う若き中上。圧倒的な作品をかけばいいんだ、とも心に誓う。純文学と中間小説についての考えも読める。
2018/08/10
あなた
高校生の頃に読んだ中上のエッセイ集。ハイブラウ(高尚文化)とロウブラウ(低級文化)が混淆しながらも反転を描いていく。中上の通いつめたジャズ喫茶(二階にはピンサロ)のようでもあり、行幸があれば民までつどう熊野というトポスのようでもあり。ふつうに「まんこ」と書いてあったりもする。中上らしい
2009/08/15
いなお
タイトルが印象的な本だが、プレイボーイで連載されていたインタビュー集の「RUSH」がことさらよかった。インタビューした右翼の若者から成田闘争の人まで、誰に対しても、読者に対しても、誠実で、清々しい文章だった。
2016/01/21
hiratax
アマゾンで奇跡的に一円で売られていた。普通は1500円くらいする。 久々に中上本を一冊通して読んだ。 プレイボーイ連載原稿とジャズ関連の原稿。 とにかく人に会いに行っている。そうだよな、むりくりにでも会いにいくべきなのだよな。「地の果て至上の時」は、熊野大学の新宮、夏の終わりのバンコクハノイと連れ回したのだけれど、いまだ読みきれていない。
2015/12/04
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