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友情・初恋 (集英社文庫)

友情・初恋 (集英社文庫)

友情・初恋 (集英社文庫)

作家
武者小路実篤
出版社
集英社
発売日
1992-01-17
ISBN
9784087520200
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友情・初恋 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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美羽と花雲のハナシ

失恋の名手が描く友情と失恋の物語。堅実で美しい文体で人間の内面と思想を描き出す。野島は杉子に恋をする。彼女を遠くから眺め、甘い妄想をしたり、未来予想図に登場させたり、傷付いたりと、勝手に盛り上がる。野島の言動が純粋ゆえ、傍から見る彼は滑稽で痛々しい。杉子を一方的に想い、自分の理想で美化し、都合の良いように解釈する。非常に現代に通ずる物。報われず遂げないこの想いは、行く当てもなく彼の心に重くのしかかる。終盤の大宮の手紙で葛藤や苦しみが如実に表れ、彼の義理堅く自分の恋すら殺せる友情には目を瞠り、胸を熱くする。

2012/10/29

ぎゅうにゅう。

いやあ、面白かった。。今から100年近く前に書かれたものなのに(Wikipedia参照)ここまで登場人物の心に共感してしまう作品って凄いと思う!野島の杉子と会うたびに変わってしまう心情、終盤の大宮の杉子に対する心情(自分は武子派)。下篇の杉子と大宮の手紙のやり取りは主人公野島からすると見ていられなかった。。大宮でなく野島が主人公なのが、また良い味出してると思う。。(「友情」について)

2015/02/08

カタコッタ

これは素敵な作品。読んでいるうちにどんどん気持ちが純粋になっていくような気がしてきた。読みやすく、共感出来る。図書館の児童書の中にあったが、恋する多くのヤングアダルト達の目に止まって欲しい。恋する時の息苦しさ、これも好き!

2019/07/18

冬見

「友情」は再読。「初恋」を読みたくて購入。「友情」やっぱり大好き。読後、ここまでタイトルが胸に迫る小説はなかなかない。改めて読むと、大宮に惚れる気持ちが大いにわかる。そりゃ惚れるよ。以前読んだときは感じなかったが、今回は読めば読むほどS氏がちらつき、解説を読んで「わかるーーー!」と声を上げた。「初恋」を読んで、この二作が同じ文庫に収録される理由が分かった。なるほど、感情描写についてはかなり自分の経験をスライドさせている。武者小路の作品は今まで四作読んでいて、その全てがおもしろく自分に響く。好きな作家だ。

2017/12/07

はじめさん

友情は既に新潮版持ってるので、バーターの初恋のために買ったよ。/ 近くに下宿することになった美人姉妹にときめく青年。姉よりも妹のほうがタイプ。姉が学業をおえて郷里に帰り、ぽつりと妹が「淋しい、あなただけが頼りよ」とつぶやく。これを本気で受け止めて燃え上がってしまうのがピュアな男の悲しいところ。やがて妹も去り、「名字」が変わったことを伝聞で知る…つまり、そういうことだ。/ 浜辺に名前を書いて消す、とか脳内で作った風景なら才人。実際にやったら変人。壁に彫るとかよりは環境的?/ 「初」恋ねえ。ふぅん。(H28/

2016/02/11

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