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クレアモントホテル (集英社文庫)

クレアモントホテル (集英社文庫)

クレアモントホテル (集英社文庫)

作家
エリザベス・テイラー
最所 篤子
出版社
集英社
発売日
2010-10-20
ISBN
9784087606126
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クレアモントホテル (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ばう

★★テレビで偶然見た映画が良かったので原作に興味を持って図書館で借りてきたけれど、映画とはちょっと違う雰囲気でした。でもこれはこれで面白かった。映画ではあまり語られない「老い」とはいかなるものか?という点がとてもリアルに伝わってきます。「年をとると人生は受け取るばかりで与えることはなくなる」とか、「年をとると誰にも名前で呼ばれなくなる」とか、ああ、成る程その通りかもしれないと思います。国は違えど、老いは同じ様にやってきているんだと、当たり前の事だけれど改めて気づかされました。読んで良かった。

2014/12/24

paluko

「ホテル生活」というと日本では何やらリッチな印象があるけれど(自分だけ?)本書で描かれるのはホテルの安い部屋を長期で契約して滞在する、戸建てで自力生活するのはもう難しいけれど、養護施設にはまだ入りたくない…という人々(主に女性)のリアルな日々。家族・縁者が訪問してくる者は羨まれ多少得意になれる。そんな中、主人公のパルフリー夫人は偶然、知り合った赤の他人を自分の孫だと偽ってしまい…英国の食事情が侘しい老年生活をより寒々しく彩ってくれます。

2023/07/14

きりぱい

あのエリザベス・テイラーならぬ、このエリザベス・テイラーは知らなかったのだけど、20世紀のジェイン・オースティンと呼ばれているそうで、へえ!へえ!と、私的な喜びはさておき、物語はとてもよかった。クレアモントホテルに余生を過ごしに来たパルフリー夫人と、そこに長期滞在する老人たちとの交流。小さな嘘がもたらした思いがけず至福の時間は、心をポッと温かくさせながら、老いの現実へのシニカルな目線も外さない。ただ心地よくしっとりと読ませる。読んだ後に映画の予告編を観ると泣けてきます。

2010/10/22

しい☆

エリザベス·テイラー初読み。あまい夢物語みたいな本を想定してたらぜんぜんちがった。人生の終わりを身近に感じるようになったいま、読めて良かったかな。

2019/05/29

都忘れ

BSで偶然見た映画が私好みの佳品だったので、原作に興味を持ち読んでみました。映画のような心温まる老婦人と作家志望の青年の関係は期待できませんが、より、現実的、シニカルな「老い」と歳をとった者同士の見栄の張り合いとか、寂しさが迫ってきました。50代の私には近い将来のこと、年老いた両親には今現在進行形のこととして、身につまされることもあり、でも、そのなかでほのかな恋心やユーモアも感じられいかにも英国の小説らしいと感じました。

2015/01/03

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