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別れのワルツ (集英社文庫)

別れのワルツ (集英社文庫)

別れのワルツ (集英社文庫)

作家
ミラン・クンデラ
西永良成
出版社
集英社
発売日
2013-12-13
ISBN
9784087606799
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別れのワルツ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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優希

愛と死はまさに別れのワルツだと思わされました。何組もの男女がすれ違い、絡み合いながら演じられる恋の輪舞は、奏でられる音楽のように心に響きます。亡命の決意が演じることになった5幕の円舞は、永遠の別れの協奏曲となったのでしょう。その曲が哀愁を誘う美しさがあるように感じました。

2016/11/26

zirou1984

軽やかに踊ることで別れを告げる相手は一夜限りを共にする相手なのか、それとも二度とその地を踏まぬと決意した祖国に対してなのか?クンデラにしては比較的オーソドックスな形式で描かれた5章‐5日間の協奏曲。ダンスのパートナーが次々と入れ替わるように、対比的な会話が次々と交差し、愛という観念は決して留まることなくその印象を変えていく。そして嫉妬や後悔、情念といった感情を精緻に明晰に切り取ってしまうクンデラならではのその筆力が、普遍的な恋愛物語を悲劇と困難に直面した歴史のメタファーとして成立させているのだろう。

2014/09/16

燃えつきた棒

どうもこの書名には、僕の心を惹きつけずにはいられない魔力があるようだ。 そういう訳で、僕の本棚にはこの文庫本が二冊ある。 それも、両方とも新刊というのだから恐れ入る。 そういう訳で、三冊目を購入しないうちに、読んでみることにした。 実際に読んでみると、書名から悲恋への過剰な期待を抱いていた分、あまりにもありふれた下世話なストーリーに、<物語の耐えられない軽さ>を感じざるを得なかった。

2017/11/15

長谷川透

愛するが故に愛する者に中絶を求める。愛という大義の下では、愛の障害となる者の死さえも肯定できるのか。中絶を巡る問答から始まる愛と生と死のワルツ。重いものを盾にした軽さ。中絶は、決して珍しい文学的なテーマではないが、母国を愛しながらも母国を去らざるを得なかった作家がこれを書けば、生命の尊厳という論点だけに絞られない、人間が抱える普遍的な葛藤が見えてくる。小説内に複数の二項対立を持ち込んで人間の普遍性を焙りだすのはいつもながらのクンデラであり、作家として比較的早期にこの手法を確立していたは驚いた。傑作。

2013/12/17

ぞしま

ルージェナ、クリーマ、カミラ、バートレフ、ヤクブ、オルガ、フランティシェク。温泉保養地での五日間の出来事。性愛を一つのよすがとしてドラマが描かれている。俗悪と言えば俗悪。伏線をひかれた序盤から四日目になり、登場人物が、それぞれ出会い、別れていく、それこそワルツのようにクルクルと。怒濤の展開。悲劇的だけど大きなカタルシスがあった。存在の〜とはまた違った魅力が溢れている初期の作品とのことだが、クンデラ、素晴らしいです。個人的には、ヤクブとオルガの関係性が印象的だった。どの人物も素晴らしいキャラクター。

2015/01/22

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