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彼女たちの場合は

彼女たちの場合は

彼女たちの場合は

作家
江國香織
出版社
集英社
発売日
2019-05-02
ISBN
9784087711837
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「彼女たちの場合は」のおすすめレビュー

14歳と17歳、2人の少女が「アメリカを見る旅」へ…彼女たちが行き着く先には一体何が?

『彼女たちの場合は』(江國香織/集英社)

 14歳と17歳。どちらも未成年の少女が家を出て、2人で「アメリカを見る旅」に出る。『彼女たちの場合は』(江國香織/集英社)の2人の主人公、逸佳(いつか)と礼那(れいな)は従姉妹同士で、礼那の両親と共にアメリカで生活している。逸佳は日本で両親と暮らしていたが、アメリカ留学のため従妹の家で世話になっているのだ。ある日、礼那の母親・理生那(りおな)が娘の部屋に入ると、そこには「これは家出ではないので心配しないでね」という置き手紙が残されて少女たちの姿がなくなっていた。

 一見無謀とも思える2人の旅だが、読み進めていくうちに少女たちのどこか大人びた、冷静沈着な態度や行動に驚かされる。14歳といえば日本の中学生にあたる礼那も、ホームシックになることなく純粋に従姉との旅を楽しんでいるようなのだ。娘たちがいなくなったことについて、それぞれの両親の反応は異なるものだった。もともとトラブルメーカーだった逸佳の両親や理生那はどこか2人の旅を面白がっている節があるが、礼那の父親・潤はありえない事態にただうろたえている。3人のあま…

2019/6/10

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彼女たちの場合は / 感想・レビュー

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starbro

江國香織は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、少女たちのロードノベル㏌USAでした。この旅を経験した彼女たちがどう成長していくのかが楽しみです。アメリカだと、もっと危険が危ない(笑)気がしますが、小説だからでしょうか?エンディングが少しあっさりし過ぎのような感じがします。続編もあるのでしょうか?

2019/05/27

こーた

アメリカの空は広い。もう何年もまえにひと月だけ暮らしたことがある。街、ひと、バス、ハイウェイ、空。読みながら当時の風景を想い出す。ぼくが居たのは彼女たちの訪れていない、もっと西でもっと北の都市なのに、だ。読書は旅に似ている、などと言ったらあまりにありきたりだろうか。でもほんとうに一緒に旅をしたような気分になる。そのときどきの目的地へ向かって一直線にすすみ、決して引き返すことはできない。想いかえすことはあっても、そのときその場所であったことは永遠にふたりだけの秘密だ。読書だってそうだ。読み終えたいま、⇒

2020/02/27

ウッディ

臆病だけどしっかり者の逸佳と天真爛漫で人懐っこい礼那。ニューヨークに暮らす17歳と14歳の従姉妹同士は「これは家出ではありません」という書き置きを残し、旅に出る。アメリカの都市を巡り、危険な目にあいながら、かけがえのない出会いと経験をする二人の旅にワクワクさせられました。心配のあまり感情的になる礼那の父と鷹揚に構える逸佳の父が対照的だったが、自分の子供にはうるさく言わず、温かく見守ってやれる親になりたいと思った。きっと逸佳と礼那のように、貴重な経験をして、ひと回りも大きな人間になって帰ってくるのだから。

2020/01/13

旅するランナー

紳士淑女のみなさん、それから、紳士でも淑女でもないみなさん、聞いて下さい。何をもたらすのか、彼女たちの出会いは。17歳と14歳の女の子(いとこ)が、親の許可なく、アメリカを自由気ままに旅します。最初は世間知らずな娘が調子に乗っちゃってとハラハラします。そのうち、彼女たちが出会うすごいこと、そして成長を応援している自分がいます。人生はおとぎ話なんです、きっと。グッド、ノットグッド、インビトウィーンから選ぶとすれば、もちろんグッド。いえ、爽やかなロードムービーを観ているような、エクセレントな小説です。チーク!

2019/07/12

のぶ

久々に読む江國さんの長編は、どっしりとボリュームがあり、十分に堪能する事ができた。物語は17歳の逸佳と14歳の礼那が、ニューヨークから西を目指して旅をする話。「家出ではないので心配しないで」と言って出たものの、舞台がアメリカなので何となく心配な感情を抱く。ロードノベルは多くあるが、その辺りが新鮮に感じた。渡る世間に鬼はなし、とても楽しんでいるようで良かった。描かれる情景が映像的で、アメリカ映画を観ているように話が進んだ。自分は何故か「テルマ&ルイーズ」を思い抱きながら読み進んだ。好きな小説だった。

2019/05/18

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