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ひと喰い介護

ひと喰い介護

ひと喰い介護

作家
安田依央
出版社
集英社
発売日
2019-07-26
ISBN
9784087711875
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ひと喰い介護 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

nobby

ひたすら気分悪く、あまり語りたくない…描かれるのは『ひと喰い介護』のタイトルのままに資産家老人に「究極のオーダーメイド介護」を掲げ、財産身ぐるみ剥ぎ取る顛末。前半で示される理念やグレード制など介護に異端とも思える取組みには覚えあり苦笑…後半で明かされる悪行の数々、このまま行われているとは言わないが、近いことは十分ありえると想像する…公的保険外サービスや官庁管轄外施設、認知症あるいは判断能力の有無、親族の後ろめたい気持ちなど漬け込まれる盲点は幾らでもあるのだから…介護業界に属する身として何だかスゴく寂しい…

2020/01/14

utinopoti27

妻に先立たれ、孤独な老後を送る武田清は、現役時代のプライドを捨てきれない72歳。そんな彼のもとに、ケアマネという名の皮を被った魔女の甘美な囁きが忍び寄る・・。身寄りのない資産家の高齢者に提供する「究極のオーダーメイド介護」とは何か。本作は、実話をベースにしたという、介護ビジネスの闇に切り込む社会派サスペンスだ。気力が、判断力が、財産が徐々に奪われてゆくプロセスは、まさにホラーそのもの。民間の福祉事業は、所詮営利目的である以上、こんなビジネスモデルが実在しても何ら不思議ではないのだろうか。これはガチで怖い。

2019/11/22

モルク

ホラーではないが怖い。高齢者施設にはこんなところないとは思うが、もしかして…高齢者の資産家族構成を調べあげ理想を掲げ孤独な老人を抱え込む。「究極のオーダーメイド介護」をうたい、健康を害し認知症になるよう孤立させ、そしてその資産を食い物にする。本作での登場人物武田の資産を吹聴すること、過去の仕事の実績の過信、他人に対抗しての巨額な寄付など感心しない部分も多いが、会社側の房子の不気味さは計り知れない。房子の独壇場はまだまだ続く…ああ怖い!

2019/11/04

ちょろこ

イメージは獲物をいたぶる猛獣、の一冊。介護事業をテーマにしたサスペンス。脳裏に浮かぶのは猛獣。先ずは仕留めた獲物を爪を隠した手で転がしもてあそぶ。次第に爪で傷つけいたぶり、ついに牙を剥く。そして骨までしゃぶり尽くしながら、その獰猛な目は早くも次なる獲物を狙っている…ずっとそのイメージがつきまとう。そして心には恐怖がつきまとう、まさにダブルの恐怖。このタイトルに納得せざるを得ない。個人情報だだ漏れの世の中、孤独につきいる巧みな罠、弱者の心に入り込む巧みな話術、リアルにあり得る問題として、ただただ恐ろしい。

2019/09/19

fwhd8325

タイトルからすると、もっとエグいのかと思っていましたが、前半はともかく後半は何だかな、時を分けてまで描く必要があったのかなと思います。作家の方には申し訳ないけれど、老人を食い物にする事件は多くあります。小説の世界では、それを超えないと物足りないくらい現実は強烈です。前半が面白かっただけに残念でした。

2019/09/17

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