生のみ生のままで 上
「生のみ生のままで 上」のおすすめレビュー
綿矢りさ、新刊のテーマは“女性同士の恋愛”! 圧倒的な新境地『生のみ生のままで』
『生のみ生のままで』(上・下)(綿矢りさ/集英社)
友達と恋人の違いとはなにか。気の置けない友人との食事の席で、ときどきテーマとなるネタだ。会う頻度だろうか、キスをするかどうかだろうか。大きな違いは、セックスではないか。いや、でもセックスは、恋人とでなくてもできる。ではいったい、友達と恋人を分けるものとは、なんなのか。
おそらく恋に落ちたとき、人はそんなことを考えてはいられない。
生(き)のままの酒を口移しで無理やり飲まされて、気づけば自分から飲み干しにいっているような。天然の酩酊が視界を熱く歪ませて呼吸を弾ませる。段々とベッドの上で起きていること以外すべてがどうでも良くなってゆく。
どこからが恋人かなんてどうでもいい、ただ互いに相手を求め、触れ合った部分から溶けてゆく。その情動こそが恋なのだと思わせる、圧倒的な恋愛小説が誕生した。『生のみ生のままで』(上・下)(綿矢りさ/集英社)だ。
25歳の夏。逢衣(あい)は、結婚も視野に入れて交際している恋人と出かけたリゾートで、彼の幼馴染とその彼女・彩夏(さいか)に出会う。
芸能活動をしているという彩夏の…
2019/6/27
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生のみ生のままで 上 / 感想・レビュー
starbro
綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。著者の新境地でしょうか、少女漫画チックな同性愛小説、上巻まではありがちな内容です。下巻では、どういう結末を迎えるのでしょうか?続いて下巻へ、トータルの感想は下巻読了後に。【読メエロ部】
2019/07/16
hiro
綿矢さんの本は14冊目。『きのう何食べた?』など最近のドラマでも、同性の愛を描いたものが多いので、女性同士の愛を描いたこの作品もまったく違和感なく読むことができた。愛し合うようになった逢衣と彩夏の関係がもし壊れるとすれば、彩夏がいる芸能界というところが邪魔をするのでだろうと、思いながら読み進めていったが、芸能界を描いた『夢を与える』、そして『ひらいて』というの綿矢さんの二作品を思い出した。さて下巻では、逢衣と彩夏の愛はどのように進展するのだろうか、もちろん続けて読みます。
2019/07/21
なゆ
女性どうしが恋に落ちる。あり得ないこともないだろう。一目惚れは仕方ない。猛アタックもやむを得ない。「男も女も関係ない。逢衣だから好き。ただ存在してるだけで。」申し分ない彼氏がいて、結婚もちらつくハッピー全開な逢衣。まさかこんな展開になるとはね。とはいえ、これが異性同士の恋愛ならばよくあるパターンでもある。シアワセいっぱいの逢衣と彩夏に訪れる試練。ここからどう綿矢りさ風の煌めきで読ませてくれるのか、楽しみに下巻へ!
2019/08/27
うどん
夢中で読んでたらこんな時間に...。下巻が楽しみです!
2019/08/22
のりすけ
お互いに恋人のいる女性二人が恋に落ちて愛の世界に突入していく物語。拒否していたけれどもそうなってしまったのは、情にほだされてじゃなく、やはり運命の人だったから。二人の前の障害が現れ引き裂かれそうになり…で上巻が終わり。濃厚な愛の世界に恋愛ものが苦手なのでくらくら。
2020/02/09
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