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六月の輝き

六月の輝き

六月の輝き

作家
乾ルカ
くまおり純
出版社
集英社
発売日
2011-01-26
ISBN
9784087713855
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六月の輝き / 感想・レビュー

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エンブレムT

過ぎ去った時は戻らない。壊れたものは元通りにはならない。わかってはいても、喪失を抱えた人の心は叫び続けるのだ。「戻りたい」「誰かなおして 元どおりに」と。少女の左手には、その叫びに応えるような特別な力があった。そして、そのかわりに奪われたのだ。繋いでいた手を。生まれた時から繋ぎ続けていた『ともだち』の手を。これは理不尽な哀しみに満ちた切ない物語。けれども、包み込むように人生を肯定する物語でもある。時は決して戻らない。壊れたものは元通りになんかならない。・・・でも、共に過ごした優しい時間が消えることもない。

2012/01/06

takaC

最後まで読んでから序章を再読すると良いかも。しかし、「村祭り」と「金太郎」が途中から同じ曲になってしまうぞ。ドンドンヒャララやハイシドウドウの後ろが。

2011/06/15

七色一味

読破。一人の少女を成長させるために、どれだけの犠牲を払ったのか──。正直それが、偽らざる感想です。ごくごく平凡な家庭の美奈子と父親に問題のある家庭の美耶。「神の手」がその二人とその家庭を──未来を壊していく──。福音も再生もない、ただ暗欝とした現在だけが続く中でようやく繋がれた美奈子と美耶の手も、「運命」によって引き離されてしまう。残されたのは、かすかに輝く「思い出」と、漠然と広がる未来だけ…。

2012/01/27

風眠

病気を治す不思議な力を持つ「神の子」と、仲の良い幼なじみ。二人の関係を様々な登場人物の視点から綴っている。子ども同士の関係の中に大人の思惑や都合が入り込んで、複雑になっていくのがやるせない、切ない。美しくて静かな文章は、後半へと進むほど引き込まれた。そして全て読み終わった後、冒頭のの序をもう一度読みかえす。すると幻灯機のように物語がまぶたの中を駆けめぐる。なんだか美しい気持ちになっていく、そんな、繊細で現実離れした物語。

2011/02/10

ちはや@灯れ松明の火

壊れてしまった宝物はもう元には戻らない。同じ誕生日、同じ字から始まる名前、双子のような、でも全然似ていない幼なじみのふたり。足りない所を補うように、きゅっと繋いでぬくもりを分け合っていた手を離してしまったあの夏から、世界は色彩を失ったまま。時を戻す神の手、なのに輝いていたあの日には戻せない。傷つき傷つけ、憎み憎まれ、季節は移ろい、それでも離れることのできないふたり、形を変えて結びつく切れない絆。過去は戻らないけれど未来は創り出せるから、もう一度、手と手を、きらきら輝く優しさを分かち合うように、握って。

2011/08/07

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