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海の見える理髪店

海の見える理髪店

海の見える理髪店

作家
荻原浩
出版社
集英社
発売日
2016-03-25
ISBN
9784087716535
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海の見える理髪店 / 感想・レビュー

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短編集。荻原さんの直木賞受賞作品。どの作品も良かったです。所々戦争を絡めている『海の見える理髪店』『遠くから来た手紙』『時のない時計』が好きです。残りの作品も、家族との関わりや絆、取り戻せない時間の流れと、己の成長等々短編の中に色々なテーマが沢山詰まっている良策でした。女性の心理描写がとても上手でした。

2017/02/26

starbro

荻原浩は新作中心に読んでいる作家です。本作は、親子をテーマにした6篇のしんみりした短編集。どの作品も味わいがあり、思わず涙腺が弛みます。オススメは表題作の「海の見える理髪店」と「成人式」です。どちらも映画に出来そうです。4月は、本作で読了です!5月も良い作品に出逢えますように。

2016/04/30

ろくせい@やまもとかねよし

6短編が収録。通底する主題は「いま」だったか。人間はいまを生きている。それは過去の自己の記憶で成立。しかも未来を抑制もする。そんな自己意識とは無関係に、人間は未来に向けて生きようとする。そのため、意識とは無関係に過去といまの折り合いを切望する。消極的で少しずつだが、とても優しく前を向かせる6つの折り合いが描写。「海の見える理髪店」は過去の後悔、「いつか来た道」は過去の悔しさ、「遠くから来た手紙」は過去の我慢、「空は今日もスカイ」は過去の逃避、「時のない時計」は過去の記録、「成人式」は過去にしたくない過去。

2020/07/14

ウッディ

海の近くでひっそりと理髪店を営む店主、彼にはある人に伝えたい言葉があった。そんな表題作を含め、家族に伝えられなかった言葉に関する短編集。直木賞受賞と言うことで、期待値が高かったせいか、静かな雰囲気の物語ばかりで、拍子抜けだった。ただ理髪店の雰囲気は好き、髭をあたる時の熱いタオルとか、ハサミの音など、気持ち良さが伝わってきました。親から子へ、子から親へ伝えられなかった想いが切なかった。これも悪くはないのだけれど、荻原さんの小説にはもっと面白いものも沢山あるのに、これで直木賞というのが少し違和感が残りました。

2018/05/04

遥かなる想い

第155回直木賞受賞作。 家族を描く短編集であり、安定した静謐な 物語集である。家族のあり方を丹念に描くが、 ひどく静かに読めるのが嬉しい.. 家族の間に通り過ぎた「時間」をそっと 味わう、そんな短編集だった。

2016/09/04

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