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地面師たち

地面師たち

地面師たち

作家
新庄耕
出版社
集英社
発売日
2019-12-05
ISBN
9784087716849
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「地面師たち」のおすすめレビュー

不動産売買をエサに多額の金を騙し取る「地面師」の手口とは?

『地面師たち』(新庄耕/集英社)

 近年、振り込め詐欺が急増するなど、高齢化の進む日本ではお年寄りをターゲットにした犯罪が増えている。他にも悪質な訪問販売のターゲットにされたり、年金を騙し取られたりといった判断能力低下を狙うトラブルも数多い。中には本人の判断力も関係なく、独居老人が家を長期不在にしている間、知らないうちに犯罪行為に巻き込まれてしまうケースまである。「地面師詐欺」という、所有者になりすまして土地を売却し多額の代金をだまし取る犯罪では、知らないうちに他人の土地を詐欺の材料にしてしまうのだ。

 ネットワークビジネスの闇をテーマにした『ニューカルマ』など社会派な作品を得意とする新庄耕の新刊『地面師たち』(集英社)の冒頭は、まさにそんな高齢者の土地を利用した犯罪から幕が上がる。恵比寿駅から徒歩数分の343平米の土地売買をめぐり、地面師グループが買い手となるマンションデベロッパー側と最後の交渉(残代金の支払いと所有者移転登記)に臨むのだ。実はその土地は所有者である高齢者に断りもなくニセの売買対象にされたもの。かつては老齢の男性が一人暮らしをして…

2019/12/5

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地面師たち / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

旅するランナー

醜く歪んだ世の中で、したたかなものが笑い、弱きものが泣く。土地売買の詐欺チーム、地面師たちのドぎつく見事な騙しのテクニックに、ダメとは分かりつつ、ハラハラドキドキワクワクする怪作。そして、彼ら騙す側だけでなく、彼らに騙される側、彼らを追う刑事、それぞれの人間性・人生が描かれ、物語に深みをもたらしてます。特に、身の毛もよだつ冷静な悪、リーダー役ハリソン山中は犯罪小説史に残る野郎です。マジです。

2020/05/30

utinopoti27

現代社会の闇に切り込む作品を発表し続けている新庄氏の最新作は、実際に起きた「積水ハウス事件」にヒントを得た「地面師」がテーマだ。熟練のプロをも騙す巨額詐欺事件のメカニズムはもとより、詐欺グループと、事件を追う老刑事の人間模様をじっくり掘り下げる、小説ならではの視点が実に興味深い。相手の冷静な判断力を阻害する狡猾な仕掛け、手に汗握るディール・・。緻密に計算されたプロットと、綿密な取材の積み重ねこそが、こうしたクライムノベルの緊張感と迫真性を生み出すことを、あらためて思い知らされる、一気読み必至の力作。

2020/03/17

fwhd8325

面白い小説でした。積水ハウスの事件で、地面師という名称があることを初めて知ったのですが、あれだけの金を動かすからか、頭がいいからなのかわかりませんが、緻密に計算された世界だと思いました。欲の塊同士だから、都合のいいようにしか考えないところに、詐欺の妙味があるんだと思います。

2020/10/24

ナイスネイチャ

図書館本。実際大手の積水ハウスが60億円近く詐欺にあった事件が元。当時カミンス○スって記憶に残る名前だけ思い出したけど、実に巧妙な部分と古典的な手法が入り交じり、楽しめました。

2020/03/19

buchipanda3

不動産売買詐欺を行う地面師を描いた犯罪小説。数年前に大手企業が巨額の被害に遭った事件が話題となったが、それほどのお金が動くのになぜ騙されるのかと思っていた。今作はその事件を意識したもので、彼らの手口がリアルに語られていた。ビジネス交渉は人間ごとなので、ライブ感というか瞬時の流れみたいなものがある。後になって冷静になって考えれば、というのは通用しない。そのせめぎ合いがいい感じで表現されていたと思う。展開は割とオーソドックスだったが、ハリソンの不気味さと鍵ガチャの場面の普通の人間臭い一面が印象的だった。

2019/12/14

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