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水を縫う

水を縫う

水を縫う

作家
寺地はるな
出版社
集英社
発売日
2020-05-26
ISBN
9784087717129
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水を縫う / 感想・レビュー

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ウッディ

刺繍や裁縫が好きな高1の清澄(きよすみ)は、可愛い物が苦手な姉の水青(みお)の為に、シンプルなウェディングドレスを作ると宣言する。清澄のことを女子力が高いとからかう同級生、息子が学校で孤立するのを恐れ、彼の趣味に良い顔をしない母、男らしく、女らしくという言葉が多くの幸せを奪ったに違いないと思った。自分の好きを封印してまで友達と仲良くしたくないと思う清澄の潔さが格好良く、「子供には失敗する権利もある」と親の価値観の押し付けを諫める祖母も素敵でした。タイトルの意味に納得し、流れる水の力強さを感じる一冊でした。

2021/03/07

kou

どの話も心温まる連作短編だったが、祖母がプール教室に通う話が一番印象に残った。清澄の「今から、始めたら、八十歳の時には水泳歴六年になるやん。何もしなかったら、ゼロ年のままやけど」は、消極的な自分には雷が落ちた気持ちだった。「何か始めるのに遅すぎることはない」って言葉を、よく聞くけど、この本を読んで、少し勇気を貰った気がした。

2020/08/31

さてさて

『進み続けるものを、停滞しないものを、清らかと呼ぶ』という流れる水をイメージして名付けられた主人公・清澄。自らの決意、思いというかたちのない、触れないものを形にしていく、縫っていく、そして前に進んでいく、それはそんな清澄の成長を見る物語でした。人によって『普通』の基準は異なります。絶対的な『普通』など存在しません。しかし、人が『普通』という感覚を互いに尊重し、『普通』を知って、『普通』と共に生きていく。それは人が人と生きていく上ではとても大切なことなのかもしれない、そんなことを感じさせてくれた作品でした。

2020/11/16

ショースケ

読んだ後、とても優しい気持ちになれた。悪い人は誰一人いない。男だから女だから、年配だから若いから、そんなものは通り越して心が豊かになった。姉のウエディングドレスに刺繍をする弟…なんて素敵な行為なんだろう。 出て行った父からの姉弟の名前の由来を聞いた時は涙が出そうになりました。そもそも普通ってなんなんだ…そんなことを思った一冊です。おすすめです!

2020/07/30

tetsubun1000mg

寺地はるなさんの本を読むのは7作目になった。 定期購読している「本の雑誌」の書評家北上次郎氏のおすすめ本だったのがきっかけ。 この作品も北上氏が非常にほめていたが、納得の読み応え。 前半は淡々と家族の日常とそれぞれの気持ちが本人の視線で描かれるが、終盤にきてそれが伏線になり一気にフィナーレへとまとまっていく。 出演者それぞれのソロパートから、最後に一気に合奏となって盛り上がるような印象を受けた。 今まで読んだ寺地さんの作品でベストではないかな。 今年は直木賞にノミネートされる作品が出ることを期待します。

2021/02/06

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