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月の客

月の客

月の客

作家
山下澄人
出版社
集英社
発売日
2020-06-05
ISBN
9784087717136
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月の客 / 感想・レビュー

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さっとる◎

なあ、あんたらみたいなん、はみ出しもん言うんやで。なあ、そうやろ?何でそんなふうに 息して吐いて 息して 坂登って おれるとこにおって もう息せんなったもん 燃やして 息して 腹減って 息して 食べれるもん食べて 好きじゃなくてもやって 好きじゃないとか笑う 息して そうやって そんなふうでやってれるん ただ生きてるだけやんそんなの ただ生きてるだけ ずっと続くがずっと続くから始まりがもうわからへん なあ 前は月なかったな いぬはずっとおるな 息して 飽きたか 安心しいや、生きてたら ちゃんと息とまるねん

2021/02/05

麻衣

犬が、ついてくる。そんなわけあらへんわな。あれ、あれよと言うまに時に日に月に年は流れていったから、わたしらの背中は終の夜みたいに、そこに大きな月が出ていた。どこまでも朧げであるそれを、明日もこれとあれをみるのだと思った。吠えた。話したくはなかったから。通じた。通じるものもあった。生きるのはいつも単数だったから、複数になった時には急にもどかしかった。骨は流れたその日に弔った。分度器で測ったかのような正確な半円を撫ぜたとき、こわいと思った。それが怖いだったか強いだったか硬いだったか、今ではもう覚えてもない。→

2021/01/13

Y2K☮

著者初読み。劇団を主宰していた人なのか。確かにこれは赤テントや小劇場の舞台で見たい。いぬと共に生きる少年トシ及び彼と交わった人たちの生涯=まさに「世界から放り出された者たちの声」だ。どのページを開いても淡々と流れる理不尽な日常。実際にこういう生き方をしている人もいるのだろう。世界を肯定も否定もせず、ただ目の前にあるから受け入れるというか身を置く。本当はどうしたいという希望はあったりなかったり。途中から作者もこの作中界隈の住人となっていたような。人生は壮大な暇潰し。だからこそ視えない心の声をひとつ残したい。

2020/07/06

上田氏

読んだ、なんやこれ、小説なんかいな ほんまあくたがわとかとるようなひとはわからんな 頭ん中 うるさいねん あれやんな abさんごいけるんやったらいけるんちゃう いけたもんな、じっさい 読めるわ 読めている、しょうせつ、殴られている、言葉にか、言葉をひとつひとつ丁寧にぶちまけて、胸が、膨らんで、縮んで、風船が、繰り返していて、繰り返しているうち、なんや出てきたな、わおーん、穴の奥に向かってラザロと呼びかけたら、はーい、出てくるし、なあなあ、自分あと何回くらい吸って吐いてするんかな、めんどくさやな、 続けて

2020/10/12

メセニ

いやはや。凄いものを読んだ。まず『鳥の会議』の衝撃を思い出す。が、それ以上の体験かもしれない。世界からハブられた者たちの「声」と、独特なリズムを持つ「語り」が読者を畳み掛ける。ただしその輪郭は溶ける。端から溶けている。時系列もてんでばらばら。分かろうと追いかけた瞬間に逃げる。だから手繰り寄せる。彼らの生の気配のようなものを。と同時にもう死んでいるのかもしれないとも頭を過る。”一望して見渡せる生など、ない”と帯にある。今この瞬間の思考に例えば昨日も明日も同時にあって、

2020/06/18

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