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不良

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作家
北野武
出版社
集英社
発売日
2020-06-05
ISBN
9784087717174
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「不良」のおすすめレビュー

『アウトレイジ』を彷彿とさせる! 北野武が、成り行きでヤクザになった少年たちを描く青春バイオレンス小説

『不良』(北野武/集英社)

 愛すべき馬鹿たち。『不良』(集英社)を読んですぐにそんな言葉が頭に浮かんだ。この本に出てくる登場人物たちはみんなとんでもない馬鹿野郎だ。だけれども、どうしてこんなにも愛おしく思えてしまうのだろうか。そして、どうしてこんなにも切ない気持ちにさせられるのだろうか。本作は、日本を代表するコメディアンであり、映画監督でもある、あの北野武が描いた青春バイオレンス小説だ。

 エッセイスト・阿川佐和子さんは本作について「せつなくも愛おしい。プッと吹き出しつつ胸にキュンとくる。なんとアホらしくて美しい世界だろう」と評し、作家・湊かなえさんは「あぁ、正しく生きることに疲れているな」と言う。著名人たちが魅了されるのも納得する。本作には『アウトレイジ』『ソナチネ』『その男、凶暴につき』などの北野作品を彷彿とさせるエッセンスが存分に詰め込まれている。

 舞台は昭和30年代の足立区。主人公の高野茂がキーちゃんこと吉岡菊二に出会ったのは、中学の入学式の時だった。入学式の最中にいきなり喧嘩で相手を圧倒し、中学1年生の番長となったキーちゃんはなぜか茂を気…

2020/6/12

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不良 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

旅するランナー

中学からヤンチャな奴らがヤクザになっていく姿を、ちょっとコミカルに描いてます。昭和の北千住や上野って、こんなヤバい感じだったんですね。暴力団の修羅場に、伊藤咲子「ひまわり娘」を合わせてくるあたりは、さすが世界の北野って感じで、映画の1シーンが目に浮かびます。でも、全体的に消化不良気味で、たけしファンにのみオススメです。

2020/08/10

いつでも母さん

馬鹿、ばか、みんなバカ。懐かしい不良の物語。だけど読めちゃう。どうしても映像が浮かぶのは北野武ならではか。もう一つの短編も良い。『どれが現実なのか』本当にね。春からこっちのことも夢だったらいいのにね。

2020/07/06

R

昭和の不良の顛末を描いた小説、コミカルな部分もあるんだが、どこか淡々とした、厭世とも違う、醒めた感じを覚える内容だった。あえてかっこよさとか、何か尖ったものを抑えて、酷い日常を描いているところが物悲しさを感じさせる文章だった。懐かしいとも違うんだけど、或る意味安易で、ありていな話なのに、読み終わってしんみりすることができるお話でした。色々なテーマをあえて語らない物語。

2020/08/03

シャコタンブルー

キーちゃん、佐々木、鈴木、俺の4人が中学を舞台に暴れまくる姿は北野監督の初期の映画作品に見られるようなエネルギーを存分に感じ、とてもエキサイティングだった。特にキーちゃんの喧嘩のシーンは迫力満点の連続で思わず肩に力が入った。その凄まじい血潮満載と感じたのは彼らが中学生までのことで、後に彼らがヤクザになってからの後半のストーリーは組織の一員として埋もれてしまい、溌剌としたエネルギーが失われ、個人という意思が消失してしまったかのような印象を持った。中学時代が面白かっただけに余計にそう感じたかも知れない。

2020/07/25

GAKU

久しぶりに北野さんの小説を読んだ。う~ん!?まぁまぁでした。

2020/07/25

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