KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

燕は戻ってこない

燕は戻ってこない

燕は戻ってこない

作家
桐野夏生
出版社
集英社
発売日
2022-03-04
ISBN
9784087717617
amazonで購入する Kindle版を購入する

「燕は戻ってこない」の関連記事

弘中綾香 妊娠や出産の意味を考えさせられた小説は「とにかく読んでいてつらかった」【私の愛読書】

 著名人の方々が、お気に入りの本をご紹介するインタビュー連載「私の愛読書」。第1回の糸井重里さんに続き、今回はテレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さんにご登場いただいた。

 弘中さんは日々バラエティ番組で活躍する傍ら、複数のメディアでエッセイを連載している。今年9月には、幼少期からテレビ朝日入社までを振り返るエッセイ集『アンクールな人生』を発売した。  彼女のエッセイを読んで、バラエティ番組での明るいイメージを大きく覆すような内省的な文章に驚いた方も多いのではないだろうか。

 子どもの頃から国語が得意で、小説をたくさん読んできたと話す弘中さん。今回は、結婚・出産など「女性として生きる意味を考えた」という小説など3冊をご紹介して頂いた。ぜひ本選びの参考にしてみてほしい。

(取材・文=金沢俊吾)

『夏子の冒険』三島由紀夫

『夏子の冒険』(三島由紀夫/角川文庫)

弘中:大学生の頃に初めて読んで、それから何度も読み返した三島由紀夫さんの小説です。

 なんといっても、主人公である夏子の無邪気で行動力のあるキャラクターが大好きなんです。共感できるところがたくさんあるんです…

2022/11/25

全文を読む

関連記事をもっと見る

燕は戻ってこない / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ろくせい@やまもとかねよし

人間にとって生殖は義務か権利か。その解答を生物として生殖の大部分を背負う女性ら中心に思案させる。すべての人間が等しく生殖能力を発揮できない。にも関わらず、私たちの多くは生殖を簡単に手放せない。持ち出すは利己。慣習が優先された前近代では、個人より社会や家督の利己で生殖が義務的行為に。しかし個人主義の現代、技術進歩は生殖行為を個人の利己で発す権利へ変容。ただし生殖不能では他者の生殖能力を借りるしか術がない不条理を孕む。私たちの利己が志向するは個人の生か社会の生か。果たして宿命的な生殖に意味を見出せるのか。

2022/04/12

まちゃ

女性たちの困窮、妊娠、出産を題材にした物語。ディストピア的で読み進めることが辛かったですが、最後まで読ませる桐野さんの筆力に脱帽。面白いとか、楽しいとか、とは違った読み応えの作品。女性の貧困や生殖医療について考えさせられる内容でした。直ぐに解決できるような問題ではないが、関心を持ち続ける必要のある社会課題なのでしょうね。

2022/04/14

修一郎

今は生殖医療技術の発達で同性愛カップルとか卵子凍結しておいてパートナーなしで子供を持てるとか選択肢が増えている。日本でだったら代理母ビジネスはこんな感じ,というリアリティで描かれていてとても面白かった。クズ人間の日高は別にして,登場人物には大体共感できるところがある。生殖ビジネスは犯罪と結びやすいし法制化を伴ってきちんと枠をはめながら進んでいってほしい。代理母や依頼主はそりゃいろんな思惑があるだろうけどもそんなことよりも生まれてくる子供は幸せになれる可能性が高くなるような体制づくりが大事だ。

2023/01/30

やっちゃん

まだまだ問題が山積みの難しいテーマでした。それぞれがかなりの決意を持たないと成立しない。結局は案ずるよりも産むが易しで救われた。居酒屋で下ネタ全開のりりこさんが最高。改めて自分の遺伝子を受け継いだ子供を見たくないのかと自問しました。

2023/02/23

いつでも母さん

桐野夏生作品のラストはいつも私をゾクゾクさせる。その感覚がクセになり桐野作品を読んでいる気がする。『生殖ビジネス』確かに必要としてる方はいる。その気持ちも分かる。『代理母出産』を選択した草桶夫婦と、貧困からその母体となる事を選んだはずの29歳未婚・リキの出産までのあれこれ。夫と姑の考えには1ミリも共感できず、悠子の揺れる気持ちも嫌悪感。リキにさえ「ビジネスだったよね?」と何度も確認してしまう。それぞれがエゴの塊で、だからこんなラストを読まされるのか?せめて誕生したぐりとぐらが健やかに育ちますように。

2022/04/12

感想・レビューをもっと見る