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ダブリンの市民

ダブリンの市民

ダブリンの市民

作家
ジェイムズ・ジョイス
高松雄一
出版社
集英社
発売日
1999-06-16
ISBN
9784087733136
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ダブリンの市民 / 感想・レビュー

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荒野の狼

15の互いに独立した短編で構成された20世紀初頭のダブリン市民を描いたものです。実際のダブリン近郊の地図が4枚ついており、脚注は特に、登場人物が描かれている通りや建物などについて詳しく、ダブリンの生活が身近に感じられるような体裁になっています。相互の物語に関連はないのですが、物語の主人公が最初は少年期、次に青年期、成熟期、社会生活と移っていくので、第一話から順に読むことをお勧めします。また、同時代のことが描かれているので、同じ登場人物が端役で、別の物語に登場したりします。

2009/03/18

ELLIS

どこまでが架空で、どこまでが実在した人物かはわからないけれど、そんなことが気にならないほどのリアリティをもって、ジョイスが生きた時代のダブリンが浮かびあがる。まるで同時代にダブリンに生きて、誰かから噂話しを聞いているかのよう。それぞれの人生の、ダブリンの光と影。ギネスやベイリーズを飲みながら飲んで欲しい。文庫本と違って注釈や解説も充実していて素晴らしい。1つの話しの登場人物が他の話しにも出てくることで、リアリティが増しているのは疑いないと思うけれど、その関わり具合がなんとも心憎い。短編好きなら必読の1冊。

2010/12/16

zakuro

最後の「死者たち」はよかった。クリスマスパーティの帰り、突然沸き起こる性欲の行き着く先は…からの、妻の告白という展開は乱歩みたいだった。他の短編はみな、盛り上がり無しオチ無し。イギリスの階級社会もよく理解できていないのに、そこにさらにアイルランドの民族問題が背景にあるとか、もうお手上げですわ。性的倒錯者の話の鞭打ちが連発するところで笑わせてもらったので、まあ時間返せとまでは言わないでおこう。

2021/01/18

スイ

「寛容の涙がゲイブリエルの目にあふれた。彼じしんはこれまでにどの女にもそういう感じをもったことはない。だが、そういう感情こそ愛にちがいないということはわかる。」 本人には一大事でも、他人にはよくあること。 そんな掌編ばかりなのだけど、描写が圧倒的な上手さで引き込まれる。 目の前で見ているようで、埃や料理の匂いを感じたような気さえした。 特に、最後の「死者たち」は見事。 長編を読んだような充足感だった。 訳もいい。

2016/03/15

まおまお

ジョイスの手法エピファニーを使った『死者たち』が一番良かった。それは物事を観察している内に、「魂」が突如意識され、本質を露呈する瞬間のことで、要するに、何気ない日常の中で突然、物事の本質を理解できるような瞬間のことらしい。ダブリンのとあるシーンの幾つかをリアリスティックに描くことで「無気力」を表現しているとのこと。個人的に、読書中、気が緩むと作品外で想像が膨らんでしまって、全く関係ないことばかりが頭を巡り巡ってしまった。それはきっと、この作品のもつチカラのせいかもしれない!

2014/02/10

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