神秘のモーツァルト
神秘のモーツァルト / 感想・レビュー
Bartleby
小説家フィリップ・ソレルスによるW.A.モーツァルト論。翻訳は堀江敏幸。なるほどソレルスのあの読む者を置き去りにしかねない文章の速度はモーツァルトと親近性がある。悪ふざけの仕方も。本人も自覚してるからこそ本書を書いたのだろう。もっとも美しかった描写は、モーツァルトが教会に保管されていたJ.S.バッハの自筆譜を目にし、頭のなかでその曲を再生しながら舌を巻く場面。映画『アマデウス』でサリエリがモーツァルトの天才的な管楽器の用い方に驚嘆したのと同じように。
2022/11/26
生きることが苦手なフレンズ
本文中でちょろっと、『ゆるぎなき心』について書いていた。ソレルス的ななモーツァルトというか、モーツァルト的なソレルスというか、2人の作品の流れや一般的に言われる特徴は重なりが大きいような。終盤、モーツァルトのオペラについて書きつつ、原著が出たの2001年だからか、復讐すること莫れというメッセージが共鳴しているように感じた。9.11との前後関係は知らないけど。
2014/03/16
もろろろ
軽やかかつ美しいことがどれだけ救いになるかわからない。
2011/10/10
マイ
「僕は下品な男だが、僕の音楽は違う」映画アマデウスのこの言葉を裏打ちするようなモーツァルトの生涯。 今の知識を持って読むとADHD(過集中、多動、不注意、頭の中の雑音)で説明ができてしまうがそんな野暮なことを言ってはいけない。彼は人類史上稀な神童で、不衛生な時代、貞操観念も経済観念も持たず信用をなくしてもなお、彼の音楽は明るく、美しい。 それにしてもフランスの背景やハイドン先生との関係が込み入っていてわかりにくい。原書で読んだらもう少し面白いかもしれない(読めないけど)。
2022/07/31
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- 出版社
- 光村図書出版
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383