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星々の生まれるところ

星々の生まれるところ

星々の生まれるところ

作家
マイケル・カニンガム
南條竹則
出版社
集英社
発売日
2006-10-05
ISBN
9784087734492
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星々の生まれるところ / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

今まで読んできたマイケル・カニンガム氏の作品が読みやすかったのと、翻訳が英米の怪奇・幻想小説の翻訳でお馴染みの南條竹則氏だったのに惹かれて読みました。ホイットマンの『草の葉』を引用しながら展開されるは19世紀の幽霊譚、21世紀のサイコ・サスペンス、遠未来の創造主捜索記の「死と生の誕生」である。ジャンルは縦横無尽で登場人物はサイモン、キャサリン、ルークが共通して登場しているので不思議な読み心地。「機械の中」は『猿の手』のような怖さ、「少年十字軍」はHANNIBAL1での第四話で感じた気持ち悪さを感じました。

2016/05/28

るな

NYを舞台にした過去(幽霊譚)、現在(心理的スリラー)、未来(SF)の3つの物語。ベースに流れるのはホイットマンの詩。『死ぬことは誰が考えたのとも違って、もっと幸運なことなのだ』という言葉が、キーワードのように各篇に響き合う。好みは人ならぬ者が主役の第3話。母親の策略により奇形児として生を受けた少年ルークの「僕らは大地と空のメカニズムの中にふたたび吸収されるんだ」「僕らはまるで悪い夢から覚めるように意識を捨てる。それは肉体の中にいる間は理解できない、恍惚感のある解放なんだよ」という言葉に希望を感じた。

2017/01/19

tomo*tin

ホイットマンの「草の葉」をもとに過去・現代・未来とそれぞれが違った趣を持ちつつも仄かな繋がりをみせる三篇。多面的なこの物語はもしかしたら読者の鏡なのかもしれない。美しさと切なさの相乗効果に胸を締め付けられながら「星々」と「死」の高波に揺さぶられた私は「星々」が希望であることを祈らずにはいられない。希望と救いはイコールではないと知っているけれど。個人的に「機械の中」が特に好きですが、なぜか「少年十字軍」で泣きそうになりました。

2009/04/02

ぐうぐう

過去・現在・未来の3編のエピソードが、ホイットマンの詩によって繋がれている。でもその繋がりは、とてもとてもささやかに見える。ひとつのエピソードが独立した一編として読めてしまうほどに。事実、それぞれのエピソードは、そのジャンルすらも違って書かれているし、その結末の余韻もそれぞれだ。しかし、だからこそ、この死に彩られた物語は、多角的ゆえ深遠さをもって、確かなる生を実感させる物語として、読者の胸に染み入ってくる。

2009/03/15

rinakko

繰り返される“死と再生”の歌が、たどり着く場所もなく流れていく。その流れはいつしか読み手までをも絡め捕り、過去から現在を経て未来へとぐんぐん押し流していく。うねるような3部作だった。包みこむような優しい死、その先にある再生――。

2009/04/02

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