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真実の終わり

真実の終わり

真実の終わり

作家
ミチコ・カクタニ
岡崎玲子
出版社
集英社
発売日
2019-06-05
ISBN
9784087734966
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真実の終わり / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

言葉の浸食。SNS等のアルゴリズムを踏まえ、如何に世の中にあふれるデータが個々人の情報となるかは、データの”精製”次第。9.11など、価値観の見直しの転機の数々。ポストモダニズムを危惧する著者の主張にも一理。一方、著者の結論の弱さが、それまでの論旨を少々感情的と思わせる要因になっている気がする。「真実は民主主義の基盤」、「ネットが悪い方向へ向かったことは意外」など、挙げたらキリがない理想論。現役POTUSを肯定も否定もしないが、批判の一部は"He said, she said..."の世界かな。

2019/12/07

どんぐり

著者は日系アメリカ人で元ニューヨークタイムズ紙の文芸評論家。トランプの虚言癖からネット社会がもたらす「真実の終わり」をめぐる論集。自分にとって脅威であったり、好意的ではないと感じると、臆面もなく嘘を吐くトランプ。その数、1日当たり約5.9回のペース。移民、ムスリム、女性、アフリカ系米国人を侮辱し人々の不安に訴える偽の物語をつくる。オーウェル的国家の支配による緩やかな専制政治と真実を陳腐化させる情報操作。メディアが踊り、トランプの顔に安倍も重なる。社会事象として読むと、非常に面白い。

2019/11/12

おさむ

アメリカで最も影響力のある文芸評論家で、ピューリッツアー賞もとった筆者の舌鋒鋭いトランプ批判本。真実を軽視する人物の台頭により、米国社会全体が変節する様を的確な言葉で表現している。政治構造やネットの普及もさることながら、ポストモダニズム(脱構築主義)が要因の根底にあるとする視座は新鮮だ。いまコロナ禍で最大の感染者が出ているのも、科学軽視のトランプの姿勢が影響しているのは確実だ。「1984」でオーウェルが描いたディストピアには科学という言葉がなかった、という。それが現実になっていることが空恐ろしい。

2020/06/16

星落秋風五丈原

1日に5.9回嘘をつく大統領を持つ国を頼っちゃっていいんですか安部首相!

2019/09/17

踊る猫

ドナルド・トランプ批判が主。どんな風に彼が言葉を巧みに(あるいは、ド下手に)操り、フェイクニュースを真実らしくさせてしまうか、そのからくりが分析されている。書評家らしく様々な書物が引用されており、その情報量に唸らされる。とはいえ難しい本ではなく、良く言えば明快な論旨を以てトランプをぶった斬っている。悪く言えばそれだけ一本調子であるとも言える。日本で言えば豊崎由美のような論者だろうか? 彼女の姿勢には共感するものの、悪い意味で高尚に過ぎるリベラルの姿を見出してしまったことも確か。オーウェルを読もうかと思った

2019/07/22

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