KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

となり町戦争

となり町戦争

となり町戦争

作家
三崎亜記
出版社
集英社
発売日
2005-01-05
ISBN
9784087747409
amazonで購入する

となり町戦争 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

月讀命

TBSラジオの森本毅郎のスタンバイの番組のなかの木曜日の本紹介のコーナーで目黒考二さんが有望な新人であり面白い作品であると紹介していたので、この本を読んでみた。となり町戦争という目に見えない戦争は、誰と誰が戦っていて目的は何なのか。広報誌に載る戦死者数は、被増加し被害は増えるけれど実感はない戦争。いつ始まっていつ終わったのかわからない隣町との戦争の偵察業務を任されても、全く腑に落ちない主人公。市役所主任の香西さんという女性がどんな人なのか、美人なのか、可愛いのか・・そんな事ばかり考えて最後まで読んでいた。

文庫フリーク@灯れ松明の火

初の三崎亜記さん。私住む町の公報見た後なので、こうした使い方も有りなのだなぁ、と感心。しかしこの世界感に置いてきぼり。馴染もうと努めているのに、何かが掛け違って入り込めない。故意に無視されているようで募るイライラ感。巻末近く『僕たちは自覚の無いままに誰かの血の上に安住し、誰かの死の上に地歩を築いているのだ』に、遅蒔きながらぞっと。自覚していなければ、眼の前で起こっていなければ『なかったこと』戦争も、人の死も、見ぬもの清しになってしまう。なんてドライな怖さ。ところで三崎亜記さん、男性だったのですね(汗)

2011/06/30

扉のこちら側

初読。となり町との戦争という設定と、見えないまま気配だけで進んでいく戦争が怖かった。「戦争というものを、あなたの持つイメージだけで限定してしまうのは非常に危険なことです。戦争というものは、様々な形で私たちの生活の中に入り込んできます。あなたは確実に今、戦争に手を貸し、戦争に参加しているのです。どうかその自覚をなくされないようにお願いいたします」

2013/02/22

七色一味

読破。不条理な、行政同士の戦争という突拍子もない「事業」が、行政主体で行われている世界。この物語を、現代の尺度で図ろうとすること自体がまったくもってムダ。理路整然とした現代社会のごく一部を、全く不条理な物事で置き換えてみた時に生じる、「まっとうな人」と「あちらの人」の思惑のスレ違いや会話の齟齬、それをさり気なく抉っていくのが、この人の持ち味なんでしょうね。

2012/07/25

yukision

ある日、広報に「となり町との戦争のお知らせ」という小さな記事を見つけ、ほどなく戦争に関わる指示書が届く。目の前で大きな戦闘が繰り広げられるわけでもなく、死者の数だけが報じられる不気味さ。非現実的な設定ながらも、妙に細かい公文書がリアルでもあり空しさもある。でも結局はラブストーリーだったのかな。

2021/09/07

感想・レビューをもっと見る