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絵小説

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作家
皆川博子
出版社
集英社
発売日
2006-07-26
ISBN
9784087748161
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絵小説 / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

「生誕は流離の始まりを意味する。はじめの流離を冬と呼び、終わりの流離を冬と呼ぶ。冬と冬のあいだは、歳月で数えれば七十年をさらに五年越えたが、時間はあたかも一本の扇子のように、折りたためば、始めの冬と終わりの冬は重なってひとつになる」こんな文章、巻頭作品から魅せられたなら、同じ幻想にこの身を浸せなくとも続きを追わずにいられない。皆川博子さんが好みの詩の一節をグラフィックデザイナー宇野亜喜良さんに渡し、それを発想のきっかけにした絵を宇野さんが描く。詩と絵をもとに皆川さんが物語を紡ぐというコラボレーション。→

2015/06/07

YM

読友さんにご紹介いただきました。皆川さん×宇野さん、怪談絵本に続いて2冊目。とんでもないの見つけちゃった!この本、僕の好きな皆川さんが炸裂しとる!どれもすごいけど、「沼」と「塔」がめちゃおもしろい!「塔」なんてもう僕が好きな要素が全部詰まってる!なんかよく分かんないけど気持ち悪いし、怖いし、でもゾクゾクするようなエロスもあるし、笑っちゃうし目が離せない。香り立つような魅惑の世界だ!読んでる間、ずっと体がウズウズしちゃって、なんか頭が痒かった!なんだこれ、サイコー!!

2015/01/26

aquamarine

皆川さんが選んだ詩を元に描かれた宇野亞喜良氏のイラスト。幻想的で繊細で詩とのイメージを重ね合わせてため息をつく。さらにそのイラストをもとに皆川さんが書いた小説が続く。私の周りからは音が消え、少し昔の匂いがやってくる。泥と血の匂い、ざらつく手触り、確かに知っている誰か…。ふっとつめていた自分の息を吐く音で現実の音が戻ってくる。しかしそこで終わりではない。宇野亞喜良氏のイラストに戻るとそれは先ほどとは違う意味を持った鮮やかな色で私を迎えるのだ。そんな幸せな時間をくれる短編が6つ。「美わしき五月に」が特別好き。

2019/10/15

コットン

natsukoさんのオススメ本。のち叔父の妻となる蝋燭屋の冬と幼稚園で出会う場面が印象的な『赤い蝋燭と…』が宇野さんの冬とwho areとあるロゴ入りの絵とともに良い。柳川貴代さんの装丁も素敵。

2018/08/05

mii22.

作家とイラストレーター、ものを創り出すひとのイマジネーションは果てしなく拡がりとんでもないものを産み出す。皆川博子×宇野亜喜良はやっぱり最強です。濃密で美しく毒々しい世界に深く酔わされクラクラします。この本はかなり危険です。最後の〈あれ〉がなかったら現実世界に戻って来られなかったかも...。でも、またこの魅惑的な世界に酔わされたいと思うのです。

2015/01/30

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