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雨の塔

雨の塔

雨の塔

作家
宮木あや子
出版社
集英社
発売日
2007-11-26
ISBN
9784087748963
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雨の塔 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

なんだろう?このラストは・・三島と都岡の関係は卒業するまでなのだろうかー少女と大人の端境期にある独特の感じ。加えてのこの環境。不思議な違和感ありあり。さもあらん宮木さんなのだから・・と期待したのだが、デビュー2作目なので仕方ないのかーもっとドロッっとするのかと思っていた。でもぞわぞわする感じはこの後の宮木さんで知っている。そんな宮木さんが私は好きだ!彼女たちは一人になれるのに、それを拒んだんだなぁ・・ちょっと苦しい。

2017/03/21

chimako

陸の孤島のような学園に送り込まれた4人の女の子。部屋は二人部屋。各々のパートナーとは永遠だと思っていた。だが、心は思わぬ方向に動き始め、穏やかで均斉のとれた関係が崩れていく。それぞれの視点で描かれる4人の心模様は登場人物の区別がつきにくく、その生い立ちも誰のものなのか混乱してしまう。長々と同じような日々が流れ、起伏にかけた。女の子同士の気持ちのやり取りを描くのならばもっと大胆にわかりやすく書いてほしかった。宮木さん、次は何を読もうかなぁ。

2017/02/25

らむれ

低調なトーンがかえって淫靡で、でも少女たちの清潔さもあって、物語に引き込まれる。美しくて清らかなのにたっぷり甘い毒が含まれてるそんな世界。太陽の庭よりも心理描写が複雑で、ついていくのに必死でした。女の持つ執着心みたいなのが溢れ出してる。恋愛中とか、もっと心が過敏な時に読むとまた違った印象を受けそう。とはいえ登場人物はみな魅力的でさすが宮木さん。ずぶずぶと静かに狂っていく彼女たち、でもこんなに美しいなら一緒に沼に嵌ってしまいたい。一番自由で何より不自由、翼をくださいと願うけれど手に入れても飛べないの。

2015/07/02

文庫フリーク@灯れ松明の火

ユリゴコロ・百合心。なんて無機質な閉じた世界。それゆえ引き立つ少女4人のゆらぐ感情。鳩山郁子さん描く表紙は美しい4羽の籠の鳥。(空を飛ぼうなんて 哀しい話を いつまで考えているのさ あの人が突然戻ったらなんて いつまで考えているのさ 暗い土の上に叩きつけられても 懲りもせずに 空を見ている 凍るような声で 別れを言われても 懲りもせずに信じてる 信じてる 飛べるはずのない空 みんなわかっていて 今日も走っていく 走っていく 戻らないあの人 私わかっていて 今日も待って

2012/04/10

風眠

華やかな洋服、甘いスイーツ、勉強も形だけ、煙草もOK、何でも思いのまま。けれど決められたエリアから出てはいけない、外の情報を得ることも禁止。資産家の娘だけが入学できる陸の孤島の学園。徹底的に管理されたそこは、贅沢だけが許された牢獄。家のために「使われる」その時までを過ごす閉ざされた世界。・・・と、設定はいいのに、それを生かしきれていない感じがした。読んでいても、誰のことなのか分からなくなってしまったり、表紙のキャラクターデザインが宝塚っぽくて、そのイメージがついてしまい、物語に入り込めなかったのが残念。

2017/08/03

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