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対岸のヴェネツィア

対岸のヴェネツィア

対岸のヴェネツィア

作家
内田洋子
出版社
集英社
発売日
2017-11-02
ISBN
9784087816440
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対岸のヴェネツィア / 感想・レビュー

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どんぐり

ミラノからヴェネツィアのジュデッカ島に引っ越しをした内田洋子さんのイタリア本。須賀敦子さんなきあとは、イタリア在住の内田さんだ。とはいえ、まだ3冊目。ヴェネツィアの対岸にある島から水上バスで行き来し、町を歩き、迷い、そこから始まる人との出会い。町を歩くと橋、橋を渡ると水溜まり、敷石の揺らぐ路地、迷路のような道、目の前に現れる教会、どちらを向いても一枚の絵画のようだ。このヴェネツィアの「沈殿した歴史とそれを覆う水に浮かぶ船」に乗って、内田さんのエッセイは続く。

2018/07/17

翔(かける)

仮面職人のサンドロの章に、思わずグッときてしまった。仮面喜劇、好きなんだよなぁ…。イタリア旅行、ヴェネツィアが一番好きだった。もっといたかった街。なぜか懐かしい気持ちになる街。次はヴェネツィアだけで数日いたい。そんな街。 最終章、女性ゴンドリエの話しが出てくる。美しい『ARIA』の世界とはほど遠い、女性排除の世界で耐え抜く一人の女性ゴンドリエの姿が描かれていた。絶対に不合格にさせたい男性ゴンドリエたちに、試験は不利なコース設定。罵倒される。それでも乗る。この話を引き出した内田さんは、やはりすごい。

2019/02/10

pohcho

友人からのメールでヴェネツィアに住んでみようと思い立ち、冬の雨の日、早速家探しを始めるもなかなかいい物件が見つからず。濡れぼそり、暖をとりに入った美術館での偶然の出会いから家が決まる。住むことになったのはヴェネツィアを対岸に望む離島ジュデッカ島。階上の隣人に挨拶に行けば、教会でのコンサートに誘われ・・・と、エッセイなのに、まるで物語のような始まり方に胸が躍った。「読むために生まれてきた」では図書館員と子供たちの交流にあたたかい気持ちになった。現地の人々の息遣いが聞こえてくるようなエッセイ。

2017/12/20

たまご

海が,水が,潮が,湿気が,そして人々の息遣いが1300年以上も積み上がって作られてきた古都.そんなヴェネチアのすぐそばの島に,見守るように,見守られるように,時にやるせなくなりながらも元気づけられながら暮らす. ますます憧れの都市になりました,ヴェネチア.その不便さ(ある意味ツンデレ?)が愛おしくなってくるんだろうなあ.そしてアーティチョークのお尻,リゾットで食べたいです.

2021/09/13

yuko

ヴェネツィアを対岸にのぞむジュデッカ島に移り住んだ内田洋子さんのエッセイ。古都にひたひたと湿気が迫りくる様子が全編を通して語られる。観光で人気の美しい街とは異なった、住人ならではの描写。豊かな言葉は世界を広げるが、貧しい言葉は世界を閉ざすというのが、印象的。内田さんの豊かな言葉で、私は異国を漂った気分を味わいました。

2018/01/08

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